【MTG ドラフト】フォーゴトン・レルム探訪リミテッドプレビュー アーティファクト・多色編
本記事のカードの記載順は以下の公式ギャラリーに従っている。注目カードのみを知りたい方は記事下部を参照。
『D&D:フォーゴトン・レルム探訪』 | マジック:ザ・ギャザリング
評価基準
基本的にはMTGwikiのドラフト点数表に関する記事にしたがって点数を付ける。フォーマット想定はMTGアリーナのプレミアドラフト、またはクイックドラフト(BO1)。
大雑把に言えば10点満点で8点以上が初手~3手目クラス、6点以上が1周目で消えるくらいのカード、3点以下は基本的にアンプレイアブルだと思ってほしい。
今回は紹介するカードが少なめなので、多色アンコモンの解説に各アーキタイプの印象も記しておいた。参考までにどうぞ。
アーティファクトコモン評価
《グレートアックス》
評価:5点
《ブルーノー・バトルハンマー》が複数取れている場合のみ一考の余地がある。普通に使う分には装備コストが重すぎて運用しづらい。
《皮の鎧》
評価:5.5点
赤白で《ドワーフホールドの勇者》につける以外だとバリューが低い。
《ミミック》
評価:4点
何に使うのかが不明。フレーバーを楽しむカード。
《予備の短剣》
評価:6.5点
《ノールの狩人》をはじめとしたパワー2集団戦術クリーチャーの補助として、《ブーツ・オヴ・スピード》や《決闘のレイピア》の枚数に不安があれば採用できる。1点ダメージも痒いところに手が届く。
《とげの落とし穴》
評価:6点
かなり重くはあるが、重めのデッキで除去の枚数が足りない際には採用できるレベルではある。《略取するバーバリアン》に雑にアドバンテージを稼がれないよう、特に対赤では瞬速でプレイして即起動を意識したい。
《保有の鞄》
評価:7点
それほど速いデッキではない割にマナフラッド受けが少ない、緑白や黒赤のようなデッキに採用すると良い働きをしてくれる。アーティファクト破壊を食らうとそこそこ痛いので気を付けたい。
《ダンジョンの地図》
評価:6点
3ターン目にこれを置くのを許してくれる環境にはあまり思えない。《アウルベア》のような強力な5マナに繋げられるなら採用しても良いだろう。マナファクトなのにマナフラッド受けにもなってくれるのは嬉しい。
《50フィートのローブ》
評価:5点
よく見たら真ん中の能力に「タップする」が書いていなくてガッカリしたカード。これを入れている枠があるのなら普通にクリーチャーを入れたほうがいい。
《アイアン・ゴーレム》
評価:5.5点
大したことないスタッツなのに小回りが利かず扱いづらい。どちらかというと殴るデッキ向きではある。
多色アンコモン評価
《ウンドゥル族のバローウィン》
評価:7点
ダンジョンを踏破しているターンに3/3が殴るのはしんどいので《盗人の道具》が欲しいところ。このカードがあるから白黒にしようと思えるほどではなく、多色アンコモンとしては物足りない感じ。
白のダンジョン探索を黒の除去で補助するカラー。青が入っていない分アドバンテージ獲得能力に乏しく、かといって戦闘能力が高いわけでもないのでどっちつかずになりがちに見える。《パワー・ワード・キル》のような黒のパワーカードをピックしていたら白の流れが良かったときにプレイするくらいだろう。積極的にやりたいカラーではない。
《ブルーノー・バトルハンマー》
評価:7.5点
中型〜大型クリーチャーが出てきて、自軍の装備品付きクリーチャーが止まりだす頃合いに着地し、強引に攻撃を継続できる装備品ロード。装備コストが重めな《メイス+2》などの装備品もグッと使いやすくなる。
赤緑と並ぶアグロ戦略カラー。《レンジャーの鷹》などの飛行に装備品を付けて殴れるのが赤緑にはない長所で、除去が十分にあればミッドレンジ気味にも組める。赤の優秀なカードを赤緑と食い合いになるのが不安点。
《デヴィルに選ばれし者、ファリダ》
評価:7.5点
ダイスから得られるメリットがかなり大きく、青赤を目指す動機になるカード。余談だが、「デヴィル」が種族名の「デビル」と表記揺れしているのが非常に気になる。アリーナの翻訳班といい、ウィザーズの日本語訳担当はもう少し余裕を持って翻訳をして欲しい。
カラーとしてはミッドレンジに属する。とにかく《ファリダ》と《フェイワルドのペテン師》のアドバンテージで押していくデッキになりそうなので、参入するかどうかはこの2枚を見て決めたい。クリーチャーのスタッツが貧弱で後攻時に苦戦を強いられそうなため、《ドラゴンの火》のような軽量除去は複数確保しておきたいところ。
評価:6.5点
4マナで《成長のらせん》なんてやっている場合ではないことが多そう。このカードがあるからと言って緑青に進むと痛い目を見る。他のパワーカードが十分に取れている段階で拾えたら嬉しい。
このセットで唯一アーキタイプが不明瞭なカラーで、一応ランプ戦略ということになっているらしい。赤緑や赤白、青黒といったクロックの速いデッキが強そうな環境でランプ戦略がどれだけ通用するかは怪しいと思っていて、積極的に参入したいカラーではない。2色土地がなくランプが得意なタッチ戦略を取りづらいのも向かい風。
《遺跡探し、ハーマ・バシャール》
評価:7.5点
ダンジョン探索は回数を重ねるごとに効果が強力になるため、高速で探索を進められるこのカードは強力。早いターンで踏破できれば《回廊のガーゴイル》などのパワーカードとアドバンテージ差で圧倒できる。
白青はこの環境で最も遅いカラーで、ゆっくり相手の攻撃を受け止めてからの展開になる。膠着した盤面で継続的なアドバンテージを生む効果を持つクリーチャーが多く、リソース合戦になれば最強。問題は《盗人の道具》で確実にダメージを通してくる黒がらみのデッキや超高速の赤緑の攻勢に耐えるための手段を用意できるかどうかで、特に除去はかなり厚くピックしたい。
《隠棲した絵描き、カレイン》
評価:7点
効果を発揮できれば強いが、何回も発動できるとは思えないので多色アンコモンの中ではパッとしない感じ。2マナではあるが戦闘には参加しづらいため、多くても2枚までに採用数を抑えたい(そもそもアンコモンではあるが)。
黒赤は宝物シナジーのカラーということになっているが、《墓所のグール》+《忠誠の代価》のパクリファイスコンボや豊富な除去で盤面を抑える除去ミッドレンジとしての特徴が濃いように見える。《カレイン》から一気に寄せるというよりは、強い除去をピックしながら色の空き具合を見て参入したい。
《バルダーズ・ゲートのクライドル》
評価:7.5点
青黒のキーになっている「戦闘ダメージを与えたとき」シナジーによく噛み合っており、自身も継続的にアドバンテージを獲得できるためかなり使いやすい。コンビを組むべきはやはり《魂刀のスパイ》と《ユアンティの毒牙刃》だろう。
攻撃を通す手段に長けたカラーになっており、ノロノロしたデッキには打点とアドバンテージを稼ぎ続けてそのまま勝ってしまうポテンシャルがある。自分より速い動きをしてくる赤緑アグロへの対抗策が難しいのが苦しいところで、軽い黒の除去はなんとしてでも確保しておきたいところ。
《死の囁き、シェスラ》
評価:6.5点
強い盤面と弱い盤面がハッキリしすぎていて、良くも悪くも今環境の黒緑カードという印象。ブロッカーにすらならないスタッツが足を引っ張る可能性は高い。デッキに1枚までの採用にしたい。
黒緑のキーワードである「このターンにクリーチャーが死亡していた場合」が、優勢な盤面を更に有利にするためのものなのであまり好みではない。シナジーを意識しすぎず、《アウルベア》《死神のタリスマン》《パワー・ワード・キル》のようなパワーカードを中心に戦う方が良いだろう。《パープル・ウォーム》を5ターン目に叩きつける動きは流石に強そう。
《悪魔牙のノール、ターグ・ナール》
評価:7.5点
赤緑アグロの集団戦術をさらに強化する特攻隊長。装備品を付けて《ホブゴブリンの隊長》とともに殴ってもよし、起動効果を発動して強引に殴ってもよし。
おそらくこの環境を定義するカラー。優秀な2マナクリーチャーを大量に採用して《ブーツ・オヴ・スピード》や《決闘のレイピア》で補助できれば並みのデッキは吹き飛ぶ。相手する際も、特に《ホブゴブリンの隊長》を止められないデッキ構成にはしたくない。赤の除去と《アウルベア》や《ドラゴン》を活かしたミッドレンジタイプも強そう。
《月の踊り手、トレラッサーラ》
評価:8点
《天界のユニコーン》と並んで緑白の2トップ。継続的にライフを得る手段と組み合わされば誰も止められるものはいない。
緑白は《トレラッサーラ》《天界のユニコーン》のアタッカー、《裕福な亭主》《ドルイド・クラス》などのライフゲイン手段をバランスよく取る必要があり、しかもそれらの多くがアンコモンであるためハードルが高め。その代わりに最大値も高く、特に構造上アグロデッキと有利に殴り合えるのは良い点。卓1であることを見極めて参入したい。
今回の多色アンコモンは強さにバラツキがあって、それに強く依存しているカラーも緑白と青赤くらいなのでピックは除去優先で柔軟に行った方が良さそう。多色サポートが《進化する未開地》しかないから基本的には2色で。
ドラフトはアグロカードが強く、いつにも増してシールドとドラフトで強いカラーが異なりそうなセットという印象。