浮き草ゲーマー日記

硬派な?ゲーマーの日記です。

【MTG ドラフト】カルドハイムリミテッドプレビュー 黒編

 カルドハイムドラフトのプレビュー3回目、今回は黒編。

 今更ながら、カードの並び順は公式サイトのカード一覧をそのまま使っているため、コスト順や点数順に並んでいない点はご容赦願いたい。強いカードだけを知りたい方はページ最後に乗せておいた高評価ランキングを参照。

 

評価基準

 基本的にはMTGwikiのドラフト点数表に関する記事にしたがって点数を付ける。フォーマット想定はMTGアリーナのプレミアドラフト、またはクイックドラフト(BO1)。

 大雑把に言えば10点満点で8点以上が初手~3手目クラス、6点以上が1周目で消えるくらいのカード、3点以下は基本的にアンプレイアブルだと思ってほしい。

ドラフト点数表 - MTG Wiki

コモン評価 

《死の鐘音の狂戦士》

死の鐘音の狂戦士

評価:7点

 黒とは思えない良好なスタッツと強固な盤面を維持する能力。組み合わせは色々と考えられるが、同じ黒の《悪魔の贈り物》は手軽にアドバンテージを獲得できるコンボ。他では《強力のルーン》や《速度のルーン》といったアドバンテージを失わずにパワーを上げられるカードとも相性が良い。

 

《悪魔の贈り物》

悪魔の贈り物

評価:7点

 単純に強力なクリーチャーを守る役目を果たせるほか、《死の鐘音の狂戦士》に付けて盤面を強くしたり、《古牙の信奉者》に付けて相討ちできるサイズにしてから再びハンデスしたりと強い使い方が色の中で完結している。コンバットトリックの常ではあるが除去を被せられるとアド損するので、黒を相手にする場合は積極的に狙っていきたいテクニック。

 

《根気強い探求》

根気強い探求

評価:5.5点

 M21の《石の牙の聖域》はその軽さと神殿が複数並んだ時の爆発力の高さから強力なカードだったが、そのどちらも失っているのがこのカード。4マナ払って盤面に寄与しない動きをするのが許される場面は多くない。

 

《ドローガーの徴募兵》

ドローガーの徴募兵

評価:6点

 誇示能力はマナレシオが非常に悪いものの、互いにリソースが尽きた後のマナフラッド受けとしては有用。《飛行のルーン》などで殴りやすい状況を作れれば決定的なリソース差を付けられるかも。

 

《旋律の乗り手》

戦慄の乗り手

評価:7点

 ほぼ突破されない壁として立ちながら毎ターン3点ダメージはフィニッシャーとして十分な性能で、泥試合の中このクリーチャーが着地すれば勝ちに持っていける力がある。重い上にあまりシナジーに関与しないカードなのでデッキは選ぶが、逆に言うと失敗気味のデッキを何とか形にしてくれる1枚でもある。サポートとして《巧みな軍略》ぐらいはあると心強い。

 

薄暮振るい》

薄暮振るい

評価:5.5点

 単体のカードパワーが低く、強く使うためには《飛行のルーン》系統を付けるか《古き神々への拘束》で接死を付けるしかない。エルフデッキ自体アンコモン以下だとシナジーの効果が薄いので、レアから参入して思いきり良く寄せる際に声がかかるくらいか。

 

《古牙の信奉者》

古牙の信奉者

評価:7点

 ただ使うだけだと相手の最も不要なカードとの1:1交換に過ぎないが、同じ黒に《悪魔の贈り物》や《厄害のルーン》といったサポートカードが豊富に存在しアドバンテージを取りやすい。これらのカードは単体でもカードパワーが保証されていてピック/採用をしやすい点も素晴らしい。 

 

《大蛇の餌》

大蛇の餌

評価:8点

 特に語ることもない強力な汎用除去。墓地利用が各色に配られているので追放なのは地味に嬉しい。

 

《残忍なドローガー》

残忍なドローガー

評価:6.5点

 使いやすい黒の氷雪カード。《背信の王、ナーフィ》がいると5/3以上の威迫となって大暴れできる。1枚で勝てるほどのカードではないので、相手のデッキが速い場合は素直に相討ちを取った方が良い場面もあるだろう。

 

《冥府のペット》

冥府のペット

評価:7.5点

《恐れなき雛》を想起させる効果だが、条件の緩さと軽さであちらに軍配が上がる。とはいえ永続強化と飛行はリミテッドにおいて強すぎるほどの能力で、このカードが複数取れるようであれば白黒2枚目に参入するのには十分な動機になる。

 

《捨てられた地の伯爵》

棄てられた地の伯爵

評価:7点

 同じ能力を持つ《隠れ潜む名射手》がイコリア環境で一定の活躍をしていたことを考えると、予顕を持ちさらに使いやすくなっているこのカードが弱いということはないだろう。カードの性質上低パワーのクリーチャーと相性が良く、特に《古牙の信奉者》との相性は抜群。使いどころを選ぶのでデッキに1枚の採用にしたい。

 

《カーフェルの犬舎主》

カーフェルの犬舎主

評価:7点

 標準的なスタッツに加えて強力な盤面強化能力を持つ。今回の黒はどうしたんだ。ただ強いだけのカードなのでデッキを選ばず活躍できるが、一見相性の良い誇示とは必要なマナが多すぎるという点で併用しにくい点には注意。

 

《コーマの信者》

コーマの信者

評価:6.5点

 敵クリーチャーと無事に相討ちできればライフアドと墓地肥やしを同時に得られる優秀なカード。例によって《浜墓荒らし》に一方的に取られるとテンポを取られて苦しくなる。

 

《死霊堤の司祭》

死霊堤の司祭

評価:7点

 序盤のブロッカーになりつつ終盤はそこそこの除去になれるリミテッドで嬉しいカードだが、氷雪土地の枚数によって強さが大きく変わるので序盤から積極的に取りたくはない。他のアーキタイプでは全く使えないため、同卓に氷雪を目指すプレイヤーがいなければ1周してくるはずである。

 

《ドローガーの再生》

ドローガーの再生

評価:7点

 単体でも最低限の性能が保証されており、比較的緩い条件でアドを取れる優良カード。この手のカードがデッキに入っているときは積極的に相討ちを取るようにすると後引きしても強く使いやすい。自分のデッキに入っているカードを把握したプレイ選択は毎回デッキの変わるリミテッドだと差がつきやすいところなので意識したい。

 

《頭蓋の奇襲》

頭蓋の奇襲

評価:6.5点

 終盤に引くと弱いというハンデスの弱点を克服した使いやすいカードで、ミッドレンジ以降の相手ならば活躍は間違いない。問題はアグロ相手で、一般的な3マナ2ハンデスよりさらに隙が大きくライフが保たない場面が多くなりそう。普段の《精神腐敗》系カードよりは優先度を上げていい。

 

《村の儀式》

村の儀式

評価:7点

 cipクリーチャーをサクったり除去に被せてアドを稼いだりするいつものスペル。赤と組めば《裏切りの手枷》と共に「パクってサクる」を実行できるが、期待しない方がいい。

 

《沈下》

沈下

評価:7.5点

 コスパの良い優秀な除去。特に速い展開でテンポよく除去するのに向いているので、白黒2枚目などの軽めのデッキで採用したい。重いデッキであっても相手のアグロ戦略に対応できるカードを採用しない手はないのだが。

 

《枯れ冠》

枯れ冠

評価:7.5点

 実質確定除去として機能すればとんでもないパワーカードだが、ブロッカーを排除できないことやシステムクリーチャーに効果が薄いというコスト相応の欠点を抱えている。相手の切り札にぶつける除去というよりはサックリと1:1交換をとってゲームを落ち着かせるカードという印象。

 

アンコモン評価

《血空の狂戦士》

血空の狂戦士

評価:7.5点

 白黒2枚目のエースアタッカーを務める強力な2マナクリーチャー。上振れた時の破壊力は他の追随を許さないが、後からトップで引いた時は1/1になることさえある極端な性能の持ち主。このカードを2ターン目にプレイするとその後の2枚目プレイ要求が厳しくなるため、3ターン目に2+1のような形で動きたいところ。

《ドローガーの兜》

ドローガーの兜

評価:7点

 5/4/4威迫は悪くない性能で、トークンが倒されたあとも強烈な修正を他のクリーチャーに付けられるマナフラッド受け。黒を含む遅めのデッキは氷雪系になってしまうので、採用するデッキは難しいかも。

 

《霰嵐の戦乙女》

霰嵐の戦乙女

評価:7.5点

 氷雪デッキが綺麗に組める前提であれば非常に強いフィニッシャーになり得る性能で、氷雪以外では弱いという専用カード。氷雪土地を大量にピックできる機会は多くないかもしれないが、効果は複数回起動できるので6/6飛行や8/8飛行になるのも夢ではなく、ついでのように付いているトランプルも強力。

 

《杯に毒》

杯に毒

評価:8.5点

 目を疑うレベルの最強除去。3マナ確定除去というだけでも驚きなのに、予顕すると占術まで付いてくる。めちゃくちゃ。

 

《潮による復活》

潮による復活

評価:6.5点

 わざわざリアニメイトしたいようなファッティは黒には存在しないので、緑と組んで《貪欲なリンドワーム》あたりがほしい。一見エルフシナジーかと思いきや、エルフクリーチャーは軒並み軽いのでそもそもリアニメイトしたくもない。よく見たら緑の4マナと5マナにそこそこのクリーチャーがいました。黒緑ならもう少し点数を上げても良いかも?

 

《厄害のルーン》

厄害のルーン

評価:7点

 先述の通り《古牙の信奉者》に付ける動きが強いほか、白や赤の誇示クリーチャーが生み出すトークンに付けるのもなかなかの動き。軽めのクリーチャーが多めに入っているデッキなら採用して損はしない。

 

《スケムファーの影賢者》

スケムファーの影賢者

評価:5.5点

 《賽銭ガニ》におまけがついている形。ライフゲイン効果と合わせてアグロのストッパーとなりたいが、アグロの主役である白は飛行がメインアタッカーなのが痛い。ゼンディカーのコモンだった《マラキールの血僧侶》がドレインだったことを考えると、アンコモンであるこのカードもドレインで良かったのでは?

 

《ターグリッドの影》

ターグリッドの影

評価:6点

 後攻4ターン目に撃つときと《ルーン目のインガ》と組み合わせたときだけ強い。それ以外だと基本的にアド損で使いたくない。

 

《復讐に燃えた死神》

復讐に燃えた死神

評価:7点

 接死は噛み合いの悪い能力だが、4マナで出して飛行速攻でガンガン殴れる展開であれば強いため軽いデッキで採用したい。予顕も利用して白黒2枚目のアタッカーとして採用するのがベスト。

 

 

高評価ランキング

コモン1位 《大蛇の餌》

コモン2位 《冥府のペット》《沈下》《枯れ冠》

アンコモン1位《杯に毒》

アンコモン2位《血空の狂戦士》《霰嵐の戦乙女》

 

 

 今回の黒は単純に強い除去やアドバンテージを取れるカードが多くてグッドスタッフのような形にしても強そう。ぱっと見て強いカードが多い色は高くなりがちだから黒の除去に頼りすぎないようにしたい。

【MTG ドラフト】カルドハイムリミテッドプレビュー 青編

 カルドハイムにおけるドラフトプレビュー。今回は青のカードについて。

 

評価基準

 基本的にはMTGwikiのドラフト点数表に関する記事にしたがって点数を付ける。フォーマット想定はMTGアリーナのプレミアドラフト、またはクイックドラフト(BO1)。

 大雑把に言えば10点満点で8点以上が初手~3手目クラス、6点以上が1周目で消えるくらいのカード、3点以下は基本的にアンプレイアブルだと思ってほしい。

ドラフト点数表 - MTG Wiki

 

 

コモン評価

《無効》

無効

評価:2点

 《否認》ですらリミテッドではアンプレイアブルなので、より範囲の狭いこのカードを採用するのは不可能。

 

《占い烏》

占い鴉

評価:7.5点

 標準的なスタッツを持ちながらリミテッドにおいて貴重な飛行を持ち、さらに損をしない予顕まで付いているパワーカード。青いデッキならとりあえずピックしておいて良く、白青では重要なパーツでもある。

 

《多元宇宙の警告》

多元宇宙の警告

評価:7.5点

 予顕によってドロースペルの抱えているテンポロスを抑え、マナスクリューやマナフラッドの受けにもなっている良質なドローソース。遅めのデッキであれば2枚程度採用しても良いだろう。

 

《氷山の徘徊者》

氷山の徘徊者

評価:6.5点

 氷雪デッキで5マナまで伸びていれば氷雪土地が1枚くらいは出ているはずなので、効果を最大限活かせる機会は多い。比較的安めのカードと考えられるため、氷雪デッキを組んでいる場合でも他の汎用カードを優先し、このカードは遅めの巡目に確保したい。

 

《怪物縛り》

怪物縛り

評価:7点

 よくある青のタップエンチャント。1マナと非常に軽くなった代わりにライフを払う必要がある。ゼンディカーの夜明けで使用された《大群への給餌》と比較すると完全除去でない点や他のカードでライフロスを補いにくい点が使いにくく、《泡の罠》のように後攻でテンポよく使うのにもライフロスが痛い。とはいえ軽い除去ではあるので、除去が薄いデッキでは積極的に取っていきたい。

 

《浜墓荒らし》

浜墓荒らし

評価:6.5点

 ゼンディカーの夜明け環境でいやらしい活躍をしていた《ズーラポートの決闘者》がタフネス2になって再来。このカードの存在によってタフネス1のクリーチャーが殴りづらくなるのが偉い点で、実際にプレイしなくても上手い相手ならば警戒してくれる。出た後はただの1/2なので、《村の儀式》のコストや《悪戯の神の強奪》で相手に押し付けると最後まで美味しい。青黒向き。

 

《領海からの旅立ち》

領界からの旅立ち

評価:6点

 使いやすいバウンスで悪くはないが、バウンスの常としてアドバンテージを得る使い方が限定的。《戦乙女の剣》をはじめとする生体武器に対して刺さったり、オーラの付いているクリーチャーをバウンスするなど白いデッキには強め。環境に左右されやすいので人気アーキタイプを見極めたい。

 

《軽蔑的な一撃》

軽蔑的な一撃

評価:5点

 相手の切り札をテンポを取りながら打ち消せるのは非常に強力だが、使える場面が限られるのが厳しい。予顕によって重めの呪文が飛び交うような環境になるのであればもっと点数は上がる。

 

《ドローガーの思考盗み》

ドローガーの思考盗み

評価:6.5点

 標準スタッツに神ジェイスのような能力が付いている使いやすいカード。対象プレイヤーを選べるので有利な時にも不利な時にも使えるのが素晴らしい。《背信の王、ナーフィ》の入った青黒に採用したい。

 

《霜峰のイエティ》

霜峰のイエティ

評価:7点

 同じようなスタッツと能力を持つ《秘本のアニマ》と比較すると、氷雪土地さえあれば毎ターン能力を起動できる点でこちらの方が優れている。青緑の氷雪デッキはアドバンテージを取るのが得意だが戦場が膠着しやすいので、最後にアドを勝利に変換するこのカードは優秀。

 

《カーフェルの先駆け》

カーフェルの先触れ

評価:7点

 M21の《ヴォーデイリアの秘儀術師》を超強化したカード。生み出すマナを予顕に使用できるので腐りにくく、序盤のブロッカーとしても役立つスタッツ。地味に無色マナではなく青マナを出してくれるのも嬉しい。予顕をテーマとする白青はもちろん、《背信の王、ナーフィ》を擁する青黒や《玄武岩の荒廃者》をキーカードとする青赤にも採用できる。

 

《リトヤラの同族探し》

リトヤラの同族探し

評価:6点

 書いてあることは悪くないが、効果を発動できない盤面だとコストパフォーマンスが最悪になるのがリミテッドだと使いづらい。部族を重視している青赤に採用するのがベストか。

 

《リトヤラの霧》

リトヤラの霧

評価:6.5点

 このカードが腐る試合はほぼ存在しないが、強く使える試合もあまり存在しないパッとしないカード。相手の飛行などのアタッカーにつけて実質除去にするのが一番強い使い方で、コンバットトリックとして使うなら他のカードの方が良い。

 

《煙霧歩き》

煙霧歩き

評価:7点

 《確固たる戦乙女》によるビートダウン戦略を受け止めつつ、終盤では余ったマナを打点に変換できるリミテッド向きの強クリーチャー。各種部族シナジーを受けられるのも見逃せない点で、白以外の色と組む際に特に強力だろう。

 

《くすねる鷹》

くすねる鷹

評価:6.5点

 氷雪デッキでは使いやすい2コスト、それ以外のデッキではパワー不足。このカードが一周せず9巡目~10巡目に姿が消えているようであれば誰かが氷雪デッキを組んでいると見ていい。氷雪デッキにおいては「氷雪クリーチャーである」という点が何より偉く、ルーティング効果もコストが軽くて使い勝手が良い。

 

《烏変化》

鴉変化

評価:7点

 使いやすい除去ではあるが、自分のデッキが相手の飛行1/1が脅威になるような構成なのであればピックしにくい。予顕シナジーを活かすためにも、飛行が豊富な白青で採用したい1枚。

 

《乗り上げ》

乗り上げ

評価:6点

 枚数的なアドバンテージを失わないバウンスとして撃てればかなり強力だが、6マナスペルを抱えるのはリスクも存在する。緑青などでフィニッシャーが不足していると感じたら採用する価値はある。予顕が付いていればもっと使いやすかった。

 

《巧みな軍略》

巧みな軍略

評価:7点

 墓地利用カードの有無によって評価が大きく変わるカードで、墓地を活かせないデッキならば6点くらい。デッキの骨子が決まってから2パック目3パック目で確保するのが良いだろう。

 

《海中の侵略者》

海中の侵略者

評価:5点

 書いてあることがチグハグしていて使いづらい。6ターン目にタップ状態のバニラを出すテンポロスを許してくれる試合は多くない。《巨人たちの侵略》から4ターン目に出す動きはさすがに強いが、その場合はダブルシンボルに注意が必要。

 

 

アンコモン評価

《雪崩呼び》

雪崩呼び

評価:8.5点

 能力の起動コストに氷雪マナが含まれていないのが理解できないくらい強力なボムアンコで、特に対人ドラフトであればアーキタイプに参入する動機になる。終盤に4/4を複数並べるフィニッシャー運用はもちろん、3マナ立たせておけば4/4ブロッカーとして相手の攻撃を牽制でき、3ターン目に暇だからと適当に4/4で殴る動きすら強い。なぜか土地に呪禁まで付いているので除去られてマナ源を失う可能性も低い。コンバットトリックを食らうと土地を失ってしまうので、マナスクリュー時は警戒する必要あり。なぜか《怪物縛り》で止まらないのもgood。

 

《霜の占い師》

霜の占い師

評価:7点

 氷雪デッキの根幹を支えるアドバンテージ源。当然ながらデッキ内の氷雪カードの割合が高ければ高いほど強く、こういった面から氷雪を志すプレイヤーが卓内に複数いるとデッキパワーが著しく落ちることになる。氷雪デッキなら見たら取るべき。

 

《凍炎の秘儀術師》

凍炎の秘儀術師

評価:6点

 全ての効果を発揮できればカードパワーは高めだが、デッキ構築が難しく《賽銭ガニ》になることも多そう。狙い目は墓地シナジーとも相性の良い《巧みな軍略》。もし《多元宇宙の警告》が手に入れば文字通り宇宙ムーブだ。

 

《巨人の護符》

巨人の護符

評価:7点

実質ダブルシンボルとはいえ5/4/5呪禁は標準以上のスペックで、トークンが除去された後も再利用できるのはお得。青には《雪崩呼び》という強力なシステムクリーチャーがいるので、それを守るためにも使える。

 

星界の瞥見》

星界の瞥見

評価:7.5点

 普通に使うだけなら《予期》の劣化だが、巨人が多く入っているデッキなら一気に強カードに化ける。巨人が着地さえすれば、除去される前に優先権によってこのカードを使えるのがポイント。青赤であれば何枚でも欲しいカードで、そうでなくても巨人が数枚入っているなら採用したい性能。

《氷縛りの柱》

氷縛りの柱

評価:6点

 1マナタップ能力はマナレシオが良く使いやすいが、他のカードと氷雪マナの食い合いになる可能性があるのが難点。氷雪デッキ以外では絶対に使えないカードなので、遅めの巡目で1枚確保するには手ごろな1枚。

 

《ルーン目のインガ》

ルーン目のインガ

評価:6.5点

 4/3/3占術3は十分プレイアブル。2番目の効果をコンバットだけで発動するのはほぼ不可能なので、黒のサクリファイスギミックと組み合わせたい。《ターグリッドの影》とのコンボが決まればリソース勝ちは目前だ。

 

《飛行のルーン》

評価:7.5点

 ルーンシリーズの中では汎用性の高い能力を付与できるカード。青のカードとの組み合わせは微妙だが、赤や緑の高打点クリーチャーや誇示能力持ちクリーチャーに付けられればメリットは大きい。

 

《襲来の予測》

襲来の予測

評価:5.5点

 コモンやアンコモンが多数を占めるドラフトにおいて打ち消しの価値は低い。予顕シナジーを発揮できるシーンならば強力なので、《見張る者、ヴェイガ》から入った白青であれば採用できる。

 

 

高評価ランキング

コモン1位 《占い烏》《多元宇宙の警告》

コモン2位 《怪物縛り》など

アンコモン1位 《雪崩呼び》

アンコモン2位 《星界の瞥見》《飛行のルーン》

 

 青らしく肉質が低いので相方の色は検討が必要。意外と予顕シナジーが多くないので、《見張る者、ヴェイガ》以外から白青に入るのは微妙かも。

【MTG ドラフト】カルドハイムリミテッドプレビュー 白編

 MTGの新弾であるカルドハイムの全容が明らかになったので、ドラフトで主に使用されるコモン、アンコモンについてプレビューをしていきたい。5色それぞれについて評価をしたあと、各アーキタイプに触れていく形にしようと思う。今回は白のカードについて。

 

評価基準

 基本的にはMTGwikiのドラフト点数表に関する記事にしたがって点数を付ける。フォーマット想定はMTGアリーナのプレミアドラフト、またはクイックドラフト(BO1)。

 大雑把に言えば10点満点で8点以上が初手~3手目クラス、6点以上が1周目で消えるくらいのカード、3点以下は基本的にアンプレイアブルだと思ってほしい。

ドラフト点数表 - MTG Wiki

 

コモン評価

《アクスガルドの自慢屋》

評価:6.5点

 自己への永久バフ持ちで実質警戒のような効果であり、ゼンディカーの夜明けに登場した《うろつくフェリダー》を想起させる。上手く殴れる状況を作る必要があるため、各種ルーンや装備品などの力を借りて運用したい。

 

《戦場の猛禽》

評価:7点

 コモンの1マナクリーチャーとは思えないハイスペックなカード。リミテッドでの飛行1点クロックは馬鹿にできない性能であり、装備品やオーラの力を借りれば格上の飛行(到達)クリーチャーも一方的に食える。前に寄せたデッキなら2枚、ミッドレンジより遅いデッキでも1枚は入れていいだろう。

 

《ベスキールの盾仲間》

ベスキールの盾仲間

評価:6.5点

 ビートダウン要員としては悪くないスペックだが、この環境のタフネス1アタッカーは青いデッキと当たるたびに《浜墓荒らし》の影に怯えなければならないのが気になるところ。相手の2~3マナ帯と相討ちを狙い、《確固たる戦乙女》や《練達のスカルド》のコストとして墓地から追放するのが綺麗な使い方か。

 

《金への捕縛》

評価:8点

 よくあるタイプの白のエンチャント除去。直近の同型カードである《ナヒリの束縛》と比較すると、シングルシンボルになって使いやすくなっているだけでなく、環境に《コーの祝賀者》や《略奪する破壊僧》のようなコモンのシステムクリーチャーが少ないのも追い風。白をやるなら1枚は取っておきたい。

 

《掟破りの僧侶》

評価:6点

 今回の白黒のメカニズムである「2つ目の呪文を唱えたとき」を意識しているカードだが、2枚目に唱えるカードは予顕してコスト軽減したカードの方がデッキ全体のパワーを損わずに達成できるので積極的に入れたくはない。横並べで押し切るようなアグロ戦略が成り立つのであれば1/2/2のスペックを最大限活かせる。

 

《ドゥームスカールの信託者》

評価:7点

 予顕シナジーと2つ目の呪文シナジーを併せ持つナイスカード。このカード自体の効果はおまけのようなものだが、予顕後のコストが1であるのが他のカードの誘発を補助できて強い。白青と白黒で取り合いになるのでプレミアドラフトでは取るタイミングに注意が必要。

 

《巨大雄牛》

評価:5.5点

 低パワー高タフネスで相手の攻撃を受け止めるクリーチャーは環境に左右されやすく、今環境で言えば採用したくない部類のカードだろう。特別速い環境ではない上に、誇示能力の誘発を容易に許してしまう点が致命的。このカードの真価は《巨大な鋤》をはじめとした搭乗クリーチャーによって発揮されるので、狙いのあるピックをしたいところ。

 

《神の間の守護獣》

神の間の守護獣

評価:5.5点

 3/6のスタッツは悪くないが、いかんせんコストが重すぎる。《アーデンベイルの騎士》が一徹条件とはいえ4コストだったことを思うと厳しいと言わざるを得ない。白青予顕で高コスト枠を確保できなかった場合の妥協の1枚。

 

《黄金口の勇者》

黄金口の勇者

評価:6.5点

 タップ能力は相手ターンに発動して大型クリーチャーの攻撃とブロックを同時に防げるという点が強いのだが、このカードはブロックしか防ぐことができないのが残念。アグロデッキの最後の押し込みに使うのが最良の運用法で、そうでなくても最低限のスペックはある。


《神聖の発動》

神聖の発動

評価:4点

 エンチャント破壊をリミテッドで使えるのはテーロス還魂記のようなエンチャント・クリーチャーが跋扈する世界ぐらいだ。イコリアにあった《想起の拠点》やM21の《テフェリーの後見》のような支配的なエンチャントも存在せず、最も使用されるであろう各種ルーンカードを除去するのはアド損になってしまう。BO3ならサイドボードにどうぞ。

 

《鉄の評決》

鉄の評決

評価:7.5点

 類似カードであるM21の《素早い反応》と比較すると見劣りするものの悪くはない除去カードであり、予顕シナジーを発動させることができるのが嬉しい。

 

《練達のスカルド》

練達のスカルド

評価:7点

 標準的なスタッツに墓地回収の付いている強カード。回収の条件が厳しめなので墓地を肥やすカードを併用するか、アーティファクトとクリーチャーを同時に満たしていて融通の効きやすい搭乗クリーチャーを採用しておくといいだろう。

 

《活力回復》

活力回復

評価:5点

 ライフゲインシナジーはほぼ存在しないので、このカードに採用価値を求めるのであればアドを失わずにカードをプレイできる(=2枚目をプレイしやすい)ことがメリットとなる白黒になるだろう。それにしても強くはないのでできれば採用したくないカード。

 

《確固たる戦乙女》

確固たる戦乙女

評価:7.5点

 4/3/2飛行というだけでもリミテッドではそれなりに強いが、ピッチスペルのような効果もついていてアグロ戦略に適した性能となっている。低マナで高水準の能力を持つカードなので白黒の2枚目シナジーにも。

 

《シュルタンハイムの駿馬》

シュタルンハイムの駿馬

評価:7点

 優秀なスタッツに加えてコスト軽減能力も持つハイスペックなクリーチャー。特に装備品を多用する赤白に入れるのがベストで、自分に強化オーラを付けてガンガン殴れる。

《物語の探究者》

物語の探究者

評価:6.5点

 ライフゲインシナジーがないので凡庸な2コス止まりになっている。殴り合いになった際にこのカードに強化オーラや装備品を付けられると幸せになれるのは評価できる点。

 

《傑士の武勇》

傑士の武勇

評価:6.5点

 このカードもアグロ戦略に向けたカードで、継続的にクロックを強化してくれる。修正値が低めなので飛行に付けて運用するのが良いだろう。遅いデッキで採用するのは微妙なのでフワッとピックするのはよろしくない。

 

《戦角笛の一吹き》

戦角笛の一吹き

評価:7点

 今までいくつかのカードで紹介してきた白の横並べアグロ戦略のマナカーブの頂点に位置するのがこのカードだ。全体強化としては標準的なスペックで、このカードの評価はアグロ戦略の評価によって変わるだろう。筆者はそれなりにやれるアーキタイプだと考えているため7点を付けた。

 

星界の翼》

星界の翼

評価:6.5点

 様々な役割をこなせる器用なコンバットトリックで、速いデッキでも遅いデッキでも採用できる。相手にするとアンタップ能力が非常に面倒で、平地が1枚立っているだけでこれを警戒しなければならないのは骨が折れる。エルドレイン環境の《銀炎の従者》絡みのコンバットのように実力が出やすいところになるかも。

 

 

アンコモン評価

《盾打ちの戦士》

盾打ちの戦士

評価:6.5点

 アグロ戦略のフィニッシャー枠2枚目。速効性がなく見え見えの全体強化なので使いにくさはあるが、オーラなどを駆使してこのクリーチャーが何回も殴れる状況を作れれば勝ちなのはありがたい。他のアーキタイプでは使いにくいので、アンコモンの割には安く取れるはずだ。

 

クラリオンのスピリット》

クラリオンのスピリット

評価:8点

 1/1トークン生成かーと思っていたら飛行が付いていて驚いたカード。白黒の2枚目シナジーにおいて強力なのはもちろん、赤白アグロや白青予顕に適当に突っ込んでも活躍してくれるだろう。競合しやすいのでピックは早めに。

 

《神聖なる計略》

神聖なる計略

評価:3点

 相手の手札が尽きているときのみ最強の除去になるが、あまりにも性能がピーキーである。一応予顕によって手札が減っている相手へのメタであると言えなくもないが……

 

《ケイヤの猛攻》

ケイヤの猛攻

評価:7点

 奇襲性が高く、《確固たる戦乙女》に付けて飛行8点!など輝く場面は間違いなく存在する。1:1交換に使うよりは攻めに使う方が効果的なので、何らかの回避能力と組み合わせて使えるとベスト。

 

《持続のルーン》

持続のルーン

評価:6.5点

 強力なサイクルである今環境のルーンシリーズ(2マナエンチャント、何らかの能力付与、出たとき1ドロー)の中では役に立つ試合とそうでない試合が分かれる性能で微妙。同じ白に《練達のスカルド》や《星界の番人》があってアドバンテージを稼ぎやすい点が他のルーンより優れているので、この2枚が取れている場合は積極的にピックして良いだろう。

 

星界の番人》

星界の番人

評価:7.5点

 《練達のスカルド》と比較するとスタッツでは劣るものの飛行を持っており、墓地利用の条件も軽めになっている。《持続のルーン》を回収して3/3飛行・絆魂となりながらアドバンテージを稼ぐ動きは非常に強力。コストは重いが予顕によって分割払いできるのもアンコモンらしい強さ。

 

《霊体の鋼》

霊体の鋼

評価:7.5点

 《戦場の猛禽》に付けてぶん殴れとカードテキストに書いてある。誇示能力持ちの補助としても優秀で、仮に除去されてもアドバンテージを回復できる可能性のあるハイスペックカード。

 

《堕ちたる者の案内者》

堕ちたる者の案内者

評価:7点

 1/2/1はアグロにとっては喉から手が出るほど欲しいスタッツで、誇示能力も2マナのない初手をキープしやすくなる。《浜墓荒らし》さえいなければ相手のライフをガツガツ削れるだろう。

 

《戦乙女の剣》

戦乙女の剣

評価:6.5点

 6/5飛行・警戒はフィニッシャーとして十分強力だが、7マナクリーチャーが活躍できる試合は限られている。装備品としての性能は劣悪。赤白アグロのマナフラッド受けとして採用するか、白青あたりのフィニッシャーとして入れることになるだろう。

 

 

高評価ランキング

コモン1位 《金への捕縛》

コモン2位 《鉄の評決》 《確固たる戦乙女》

アンコモン1位 《クラリオンのスピリット》

アンコモン2位 《星界の番人》 《霊体の鋼》

 

今回はここまで。暇があったら表を追加するかもしれない。

意見やミスの指摘があればコメントにお願いします。

今年プレイしたゲームの振り返り(軌跡シリーズ、DTCG、スマブラなど)

 せっかく学生という比較的時間のある身分でいるうちにプレイしたゲームの記録を残さないのももったいないと思ったので、今年プレイしたゲームについて振り返っていきたい。私は普段RPG+対戦ゲーム1~2本を同時にプレイすることが多いため、ジャンルごとにまとめることにする。RPGはその性質上ネタバレを避けられないことから、特に軌跡シリーズのネタバレを踏みたくない方は読み飛ばすことをお勧めする。

 

RPG

閃の軌跡

碧の軌跡』をプレイしたのが高3の頃だったから、4年ぶりに軌跡シリーズをプレイしたことになる。PSPの小さい画面でロイドたちを動かしていたのが、PS3できちんとした3Dモデルになってキャラを動かせるようになったのだから、最初はまるで別のゲームをプレイしているようだった。

 とはいえそこは軌跡シリーズ。熱いBGMやキャラの描写はそのままで、あの頃の思い出を取り戻させてくれた。特に力を入れていると感じたのは主人公グループのⅦ組以外の生徒の描写で、それぞれが各々のストーリーを持って学生生活を送っている様子がまさに青春であり、今までの遊撃士や警官とは異なる学生の立場を活かした内容だった。

 ストーリーでは逆に学生という立場が悪く作用してしまっている印象で、エレボニア帝国の社会問題に取り組むⅦ組の姿がどうしても社会科見学のように映ってしまう。はじめから社会人という立場で、己の無力さを実感しながらも立ち向かっていくロイドたち特務支援課と比べると、オリヴァルトやサラといった保護者がいるⅦ組は「軽い」のだ。主人公のリィンがエステルやロイドとは違って潜在能力マシマシの現代風主人公だったのも共感しにくい一因になっていた。

 戦闘はなぜかボスの多くにも効いてしまう遅延のせいでずっと俺のターンになりがち。『零の軌跡』で遅延が猛威をふるって『碧の軌跡』で下方修正された過去を忘れてしまったのか、リィンの弧影斬がCP30、DELAY2000(通常攻撃と同じ)、遅延+30の直線攻撃という壊れっぷり。中盤までのボス戦はリィンがCP補助を受けながらひたすら弧影斬を連打するシュールな絵面になってしまった。クォーツのシステムが前作から変わってしまったのも不満点で、パズル要素が減ってしまったせいで編成を考える楽しみが減ってしまった。

 印象に残ったBGMは『Don't be defeated by a friend』で、スーパーアレンジバージョンも含めると『Belief』。OPである『明日への鼓動』もかなり好き。

 

閃の軌跡Ⅱ改

 前作ラストの衝撃的な展開からどう繋がるのか楽しみにしていたが、期待通りの大逆転ストーリーで素直に楽しめた。オタクは下克上が好き。閃の軌跡Ⅰで気に入っていたⅦ組以外の生徒の描写が、トールズの生徒たちがカレイジャスに集結して貴族連合に立ち向かう展開に繋がるのも熱い。そして船長のトワ会長が最高にキュート。

 唯一入り込めなかったのがリィンとクロウのライバル関係で、これは自分のプレイスタイルにも問題がある(前作でクロウを殆どパーティに入れていなかった)のだが、勝手にⅦ組に入ってきて勝手に仲間になって勝手に裏切っていったという印象しか持てなかった。世間的にはクロウが好きなプレイヤーも多いらしいので、ここはストーリーの問題点というよりは好みの問題だろう。最後に共闘するのはお決まりとはいえ熱かった。

 戦闘は前作の遅延ゲーが緩和されてまともになっていた。ユーシスのノーブルオーダーや回避100%フィーは強すぎるとは思うが、敵のターンが回ってこないよりはマシだろう。その代わりに絶望的につまらなかったのが騎神戦で、ストーリーの要所で騎神戦になるたびにうんざりしていた。クロウをいまいち好きになれないのも彼が騎神戦という概念を持ち出した最初の人間だったからかもしれない。基本的にコマンド式RPGというのはパーティメンバー(一般的には3~4人)の行動の選択肢を組み合わせて戦うゲームで、その過程で役割分担や状況に合わせたプレイングが生まれる。プレイアブルキャラクターが1人になったらつまらないのは当たり前である。調べてみたところ騎神戦は他のプレイヤーの中でも不評だったらしく、閃の軌跡シリーズの評価を落とす一因になっているように思える。

 印象に残ったBGMは『Heated Mind』と『Severe Blow』。前者は辺境の地から静かに立ち上がるリィンにぴったりの曲で、後者はいかにもファルコムなクサいメロディがファルコム中毒によく効く。

 

閃の軌跡

 学生から一転して教官という立場になったリィン。「灰色の騎士」の名誉と引きかえに多くのものを失い、出生の秘密も知ってしまった彼のメンタルはボロボロ。そんなリィンを(そしてプレイヤーも)癒してくれるのが生徒たちの存在で、未熟な生徒たちの成長を目にすることでリィンは再び立ち上がる。特に良かったのはクロスベルにおけるユウナのストーリーで、故郷を占領されたクロスベル市民、そして『零の軌跡』でロイドたち特務支援課を操作していたプレイヤーの悲痛な想いを代弁してくれた。脇を固める大人たちも魅力的で、最強と謳われるオーレリア分校長がゲーム的にも最強で敵を蹂躙できるのはゲーム体験として良かった。トワ先輩と禁断の職場恋愛したい。

 この作品からは純粋なPS4のゲームなので、3Dモデルが改善されてグラフィックも綺麗になっている。前作と比べてグンと美人になっているのはラウラとエリゼで、新キャラだとミュゼが抜群に可愛い。もちろん最強はトワ会長。

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みんな大好きトワ会長とオーレリア分校長(公式HPより)

 気になったのはセリフ回しで、場面にそぐわないセリフや不自然な言い回しが目立つ。「雛鳥」を連呼する校長先生を見て生徒は何を思ったのだろうか。キャラクターデザインも含めてキャラが現代風になっているのは分かるが、セリフまで変に現代風に(チャらく)しなくてもと思ってしまった。

 戦闘システムで新たに追加されたのがオーダーとブレイクで、これが閃の軌跡Ⅲの戦闘をぶち壊している。ユウナのオーダーでブレイクしてクルトのオーダーで味方を加速すればそれだけでボスを完封できてしまう浅いゲーム性は、遅延ゲーだったⅠに遜色ないくらい俺のターンゲーである。騎神戦は前作の反省からか複数キャラを操作できるようになったが、それでも選択肢が狭くてつまらなかった。

 印象に残ったBGMは『Step Ahead』。これは閃の軌跡シリーズで最も好きなBGMで、特にオルキスタワー頂上でのカンパネルラ戦の入りかたが最高にカッコいい。

 

閃の軌跡

 リィン不在で始まる今作は、リィンという核を失って抜け殻になっている旧Ⅶ組に、新Ⅶ組のユウナが活を入れるシーンから始まる。ストーリー的にもリィンに頼りきりで空気になりがちだった旧Ⅶ組が叱られるのはなんだか皮肉な気もするが、新Ⅶ組の成長が感じられて良かった。秘境から活動を始めてリィンを救い、世界の運命を変えていく様は閃の軌跡Ⅱの展開を否応なしに思い起こさせるものだが、違うのは活躍している人間の立場。あの頃は学生だったトールズ生たちは卒業してそれぞれの業界で活躍しており、エレボニア帝国の中で影響力を持つ存在になっている。Ⅱではあくまで正規軍vs貴族連合の戦争のお手伝いだったのが、今作ではエレボニア帝国を根本から変えるような展開になったのは物語の正統進化といえる。最終盤の全員集合はファンサービス込みの演出だろうが、僕の考えた最強のパーティを組めるという点で楽しかった。

 敵キャラで最も輝いていたのはやはりアリアンロード。『碧の軌跡』では文字通り最強キャラ(ラスボスより強い)として特務支援課に立ち塞がった彼女だが、閃の軌跡シリーズではその過去が明かされ、想い人とその子を見守る萌えキャラ(?)と化す。高潔な彼女の生き様は最後まで己の正義を貫いたもので、その想いを背負ってラストダンジョンに挑むリィンとプレイヤーの身も引き締まる。

 戦闘面では前作で暴れ回ったユウナとクルトのオーダーが弱体化され、ブレイク時のDELAY値の減少もあってバランスが改善されている。クラフトを主力にする物理キャラだと自己バフが鬼のように(実際に鬼だからね)強いリィンが断トツに強く、そのほかだとアーツキャラが軒並み強い印象。ナイトメアだとダメージ軽減オーダーが切れた瞬間に全滅の危機に瀕するため、BPも含めたリソース管理をしながら戦っていく。装備やクォーツが整って味方が強くなりすぎてしまう終盤はともかく、序中盤はヒリヒリした戦闘が楽しめた。

 BGMはレベルの高い物が多くどれも好きだが、一番は『Endure Grief』。『未来へ。』も人気があるのがうなずけるような興奮できるBGMで素晴らしかった。

 

零の軌跡

 前述の通り『零の軌跡』は4年前にプレイ済みなので、当時の思い出に浸りながらプレイ。遊撃士のパチモンと馬鹿にされながらも、自分たちのできることを積み重ねて市民の信用を勝ち取っていく特務支援課の姿は今見ても良いものだ。最も盛り上がるのは赤い星座によるクロスベル襲撃→包囲網突破の流れで、いまいち冴えなかった課長がプレイヤーの心をグッと掴んでくる瞬間である。

 前回プレイしたときはハードでプレイしていたのだが、今回はナイトメアでプレイ。特に序盤~中盤がシビアで、最初のボス戦やヴァルドとの共闘戦、銀戦などはかなりリセットした。基本的には遅延ゲーで、遅延で嵌められるボスはひたすら嵌めるのが最適解。それ以外だと相手の物理防御が異常に高くてクラフトではまともにダメージが入らないので、エリィとティオがアーツを唱えるのをロイドとランディがサポートする形になる。遅延が効かないボスはどれも1手のミスでパーティーがボロボロになるスリルがあって楽しめた。

 好きな曲は『Inevitable struggle』。選ばれし強ボスにのみ許された専用BGMはいつ聴いても熱くて素晴らしい。

 

碧の軌跡

 『碧の軌跡』は子供と大人の、理想と現実のぶつかり合いのゲームだ。キーアの力を利用してクロスベルを全世界の覇者に仕立て上げようとするディーター大統領陣営と、キーアの幸せを追求し、クロスベル市民の強さを信じてそれに対抗する特務支援課の闘い。そして、各々の事情で戦いに参加するアリオス、ヴァルド、シャーリィ、リーシャたちの想いがぶつかってストーリーを形作っている。帝国の脅威を目の当たりにしながらも、キーアの力を利用した「チート」を否定して自力での独立を目指すロイドたちの強さはプレイヤーに勇気を与えてくれる。

 戦闘は遅延が弱くなった上に一部ボスが異常に強いので、必然的にアダマスガードやティオのゼロ・フィールドの完全防御を活用することになっている。特にアリアンロードやシグムント・オルランドとまともにやりあったら生命がいくつあっても足りない(Sクラフト直撃で最大HPの2倍くらいのダメージが飛んでくる)ので、回避を100%にしたロイドを囮役にして、後衛は遠くからひたすらアーツを唱えるのが基本戦術となる。厄介なことに一部ボスは突進技を持っていて、ロイドと後衛が一直線になっていると後衛が突進に巻き込まれて即死するため、常に位置関係に気をつけながら戦う必要がある。BP管理が必要な『閃』シリーズよりはシンプルだが、軌跡シリーズのシステムの基本を理解していないと勝てない良い設計だった。特に苦戦したのは序盤のヴァルドのターン制限戦、シグムント・オルランドのリアルタイム制限戦、敵雑魚がATSデバフを連打してくる終盤のヴァルド戦で、シグムント戦はこのゲームで唯一DPを取り逃がした。

 好きな曲は『Seize The Truth!』。通常戦闘曲にふさわしい爽やかな曲で聴いていて心地よい。

 

創の軌跡

 ファルコムが宣伝していたとおり西ゼムリア大陸のストーリーを締めくくる作品で、公式ファンディスクの側面も持つ。今作の特徴はクロスストーリーシステムで、3ルートの主人公たちの物語が交差してストーリーが進んでいく。その主人公であるリィン、ロイド、ルーファスはそれぞれ心の問題を抱えていて、たとえばリィンは前大戦で背負っていた責任の重さから、自分の幸せを見つけることが難しくなっている。ロイドはクロスベル独立の旗印になったことによって、使命感を過度に感じて本来の役割を見失い、ルーファスは前大戦で負けたことから自身の存在意義があやふやになっている。そんな主人公たちを支えてくれるのがⅦ組であり、ワジであり、そしてルーファスと同じくアイデンティティを求めているラピスなのだが、それをストーリーに落とし込むのが上手くてシナリオが面白かった。新キャラのナーディア、ラピス、スヴィンは嫌味のない良いキャラで、ナーディアとラピスのダブルボケ会話は楽しく聴けるものだった。

 本作のもう一つの特徴は真・夢幻回廊で、「俺の考えた最強のパーティー」を考えてダンジョンに挑めるシステムである。ただ強いだけでなくコンセプトを持ったパーティーを組めるのが好印象で、組み合わせによっては専用会話まで用意されているのが心憎い仕様。個人的に好きなのはエリゼ・ミュゼ・アルフィン皇女のアストライア三人娘に適当な補助役(たいてい回避100%イージス持ち)を入れた編成で、画面が常に可愛い。

 戦闘は『閃の軌跡Ⅳ』にヴァリアントレイジを足したような構成。ヴァリアントレイジは強力な全体攻撃というよりはBPを回復しながら自軍にバフをかけられる技という認識で、リソース管理の一部分になっている。特に今作は被ダメージが大きいため、より強いダメージカットオーダーが要求されており、BP管理がシビアがシビアになっている印象だった。パーティー編成は強力自己バフ持ち3人+CP補助役かアーツ役3人+囮役が理にかなっていて強いが、どのキャラを使っても勝てるようにはなっていた。CP補助がアイテムを含めて充実している分、燃費良くダメージを重ねるキャラは影が薄かった。

 好きな曲は『Wind-Up Yesterday!』と『流麗闘冴』。《C》ルートの曲はどれも耳に残って良い曲だった。

 

ペルソナ5

 なぜか今までやっていなかった名作。はみ出し者の高校生たちが理不尽な世の中に立ち向かう王道ストーリーは爽快感のあるものだが、悪者として描かれる怪盗団のターゲットたちの描写をあまり好きになれなかったのが残念。ただ悪いだけの悪役は言ってしまえばプレイヤーのサンドバッグであり、人ではなく舞台装置にすぎない。それでも終盤のどんでん返しや怪盗団のスタイリッシュさは魅力的で、総合的に見れば面白いストーリーだった。

 戦闘は敵の弱点を突きながら総攻撃で〆るスタイルで、単調な戦闘ながらも育成要素などを含めてプレイヤーを飽きさせないようなシステムになっている。敵の攻撃が雑魚であってもかなり痛いことから、とにかく奇襲して相手のターンが回る前に戦闘を終わらせてしまうのが基本になっており、このあたりは『世界樹の迷宮』シリーズに似ているかもしれない。

 日常パートは主人公の能力を上げながら仲間たちと交流を深める作りになっていて、仲間が抱えている問題を解決することによって恩恵が得られたり、恋人になったりできるようになっている。根本のシステムは古来から伝わるものなので面白いのだが、いかんせんテンポが悪く感じられることもあり、長時間プレイ(80時間程度)の原因にもなっていた。彼女は東郷一二三さんにしようと思っていたのだが、「将棋を打つ」と言っていたためアレルギーが発生し、お嬢様キャラの奥村春さんにした。

 好きな曲は『Life Will Change』。ストーリーの山場に流れるこの曲はずるい。

 

ゼルダ無双(プレイ中)

 ゼルダや英傑たちを使えるということ自体に価値があり、キャラを動かしているだけで楽しい。サブクエストが多すぎてうざったいのとルージュちゃんが使いづらいのが不満点だが、ゲームとしてはそれなりに面白いと思う。

 

対戦ゲーム

スマブラSP

 去年はスマぶくろやウメブラなどのオフ会にも参加して楽しんでいたスマブラだが、今年の1~2月は卒論で忙しかったためにオフに行けず、3月以降は某ウイルスのせいで軒並み対戦会が開かれなくなってしまった。サークルの部室で遊ぶこともできなくなってしまったので、今はたまに部員やOBとオンラインで遊ぶ程度。最近は対戦会も再び開催されるようになってきたので、この騒動が終わったらまた遊びに行きたい。

 使用キャラは相変わらずネスとパルテナ。ネスの対策が進んできて勝てなくなっていたのでパルテナ単にしようかと思っていたが、アップデートで強化をもらえたことでまたやる気が出てきた。せいぜい中堅上位くらいのキャラだとは思うが、平均以下としか思えなかったアプデ前よりは断然マシだ。桜井さんは俺たちを見捨てていなかった。

 

Shadowverse 2pick 運命の神々環境

 シャドバのプロチームである名古屋OJAが主催した三都大学対抗戦(東京大学京都大学名古屋大学)で、2pickをやれる人間がサークルにいなかったために自分が練習した。シャドバはリリース当初からやっているものの、プレイ頻度はかなり低くたまにグラマスになるくらい。プロリーグは自分の知り合い(Gemoさん)が出ているAxiz戦を観戦するだけの比較的ライトなプレイヤー。

 クラス順位はWRNcVENmで、ポーションウィザードとフューチャービジョンというぶっ壊れ銅銀を抱えるウィッチと、出したら勝つ静寂の元帥を擁するロイヤル、盤面を全破壊しながら相手のライフを6点にする意味不明なカードを持っているネクロが3強。レーティングを使った練習ではウィッチ使用時のみ勝率6~7割でロイヤルやネクロだと5割くらい、それ以外では五分か負け越しといった感じだった。最高レートは1700に乗らないくらいで、明らかに自分より練度の高いであろう京大や名大の代表に勝てるかどうか不安な状態で本番を迎えた。

 本番1戦目は名大戦でヴァンパイアをチョイス。デッキの出来はそこそこだったが、相性が悪い上にとんでもなく完成度の高いネクロをぶつけられてあえなく敗北し、チームも負け。2戦目の京大戦はウィッチをピックできたものの、デッキに8枚入っていた土の印を出すカードを最終盤まで引けずに魔導の君臨者が2枚腐って負け(チームは勝ち)。決勝戦は再び京大戦でロイヤルをピックし、相手のネクロに先攻2ターン目で幽暗の墓守を置かれる展開に対して横並びを押し付けてなんとか勝ち。他メンバーの活躍のおかげで優勝することができた。

 

Magic: The Gathering Arena

 シャドバの大会が終わり、スマブラのオフ会は行きづらい世の中になって何か対戦ゲームをしたいと考えていたところ勧められたのがこのMTG。カードゲームの先駆けだけあってどこかで見たような効果や能力が多く、ルールが複雑な割にはすんなりと理解することができた。

 現在使用している構築は緑単フード。サイズの大きなクリーチャーを出しながらひたすらアドを稼ぐ動きが好みで、無理な相手がいないのもグッド。不快な相手になりやすいEsper Doomやメガパーミッション相手もアドバンテージカードを通してゴリ押しできるので気持ちよくデッキを回せる。

 構築よりハマったのがドラフトで、こちらは11月と12月でミシック(最高ランク)になるくらいやり込んだ。適切な環境理解によってピックでもプレイングでも差をつけられることを2pickで学んだこともあり、500試合弱(ピックではなく試合数)を消化した現在でも通算勝率が6割を超えていて資産が増え続けている。他人とカードを取り合う性質上2pickにはない読みも必要になってくるので、2pickマスターの諸兄にぜひやってもらいたいゲーム。

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ミシック昇格記念スクショ。ランク上げに勤しんだ今月後半の戦績は65勝28敗と好調。

 

Project winter

 サークルの身内でのみプレイ。雪山人狼の通称で知られて話題になっていたこのゲームだが、我々のProject winterは雪山集団行動である。ゲームに厳しいオタク特有の相互監視体制のもと、騙し合いの要素は一切存在せずトレイターは即離脱するのが定石になっている。サバイバー側が上達するにつれてトレイターがほとんど勝てなくなってしまい一時期は下火だったが、最近のアップデートによってサバイバーのタスク難易度を変更できるようになり面白くなった。

 TGA雪山遭難部は新規遭難者様をお待ちしております。

 

Among us

 サークルの身内でのみプレイ。雪山人狼(笑)のProject winterとは違いこちらは普通に人狼要素の強いゲーム。Imposter側はただ嘘をつくだけでなく、アリバイやストーリーを作りながら信憑性のある嘘を吐かなければならないのがボイスチャットだと特に難しい。あまり嘘を吐けない体質なので普段通りの言動ができずにいつも心苦しい思いをしている。

 

他にも将棋や麻雀やポーカーはちょくちょくやっていたが割愛。

 

その他のゲーム

Civilization 6

 好きな文明を発展させ、他文明になんらかの手段で優越することで世界を統べるゲーム。似たようなゲームだとHoI4はガッツリ遊んだことがあるが、国を挙げて戦争に突っ走るHoI4と比べると文化や宗教的な侵略も可能なこのゲームはまだ人の心が残っている。伝統ある内政ゲーだけあって国を発展させる段階はとても楽しく、長期的な国の方向性を定めるのが重要なのもリアルで良い。唯一不満だったのが戦争で、HoI4の組織的な戦争と比較するとおままごとのようだった。あくまで内政ゲーと割りきり、文化的勝利や科学的勝利を目指すのであれば時間を溶かせる良ゲー。

 

パワプロアプリ

 唯一長いこと続けているソシャゲがこれ。今年前半の覇権高校だった世紀末北斗高校や十文字東高校はタッグこそ気持ちがいいものの戦略性が低く面白くなかったが、後半に出たアスレテース高校や戦国高校はプレイングが明確に結果に反映されて良い高校だ。あとはあまりに大きすぎるセンス◯の恩恵を無くしてくれれば完璧だぞコナミ

 

 今年はプレイ時間を多く要求するゲームをたくさんやったせいで本数をこなせなかったのが心残り。来年も面白いゲームをどんどんやっていきたいね。