【ポケモンユナイト】ソロでレート2000を達成するために考えたこと
はじめに
リリース当初からやっていたポケモンユナイトでソロレート2000を達成できたので、そこに至るまでに考えたことをまとめるべく記事を書くことにした。レートシステムが変わって上がりやすくなったためレート2000は珍しい存在ではないが、似たような内容の記事がなかったため、後学のために残しておく。
1200-1700まではフルパもよくやっていたが、1700-2000はほぼソロでやっていたため、ソロレート2000を名乗ってもいいだろう。他のMOBA経験はなし。使用キャラは7割ヨクバリスで、残りがカイリューやカビゴン。本記事で触れる内容はどのキャラでも通用することを中心にするつもりだが、各ポケモン視点の話をする場合はそれを明記する。また、一般的なポケモンユナイト関連の動画等で使われるレベルのMOBA用語は注釈なしで用いるので、意味が分からない単語があればググってほしい。
味方と意思疎通を図る
野良試合は味方同士の意思疎通が取りづらいゲームだが、多くのプレイヤーはそれ以上に意思疎通するための努力が足りていない。ゲームで用意されている「集合」をはじめとしたpingを積極的に活用するだけでも連携の練度が変わってくる。
最もpingが効果的なのはゴールダイブの場面。ゴールダイブは味方の戦力を集中して行わないと返り討ちになってしまうので、「どんどん行こう」pingを押して足並みを揃えたい。ダイブが無理だと判断した場合にも「撤退」を押してあげると味方がフラフラと突っ込んでキルされる恐れが減る。オブジェクトを触る際も、触りながら「どんどん行こう」を押してあげると味方も触りやすくなるし、サンダー(フリーザー)に触って欲しくないときは「撤退」を押すべきだ。
自分の意思を伝える手段としてもpingは使える。「上/下ルートに移動中」を押すだけでも味方は安心するし、中盤以降に相手のゴールダイブを察したときにも早めに「サポートをお願い」を押すと味方が寄ってくれやすくなる。味方がミニマップを見てくれないと愚痴る暇があったらpingを押して目を向けさせた方が精神的にも良い。
ロトムを取って価値のあるタイミングかを考える
レベルの上がるカジリガメは常に価値のあるオブジェクトだが、ロトムは基本的に一定時間敵を上レーンに拘束するオブジェクトでしかないため、取るタイミングによって大きく価値が変わる。最も価値が高いのはサンダー戦直前で、敵を上レーンとサンダー付近に分散させられる可能性がある(これも適切にpingを撃てば回避できるのだが)。逆に他に何も湧いていないタイミングで、相手の上レーン1stゴールが破壊されていない場合などは価値は薄くなる。野良でよく見る失敗例が、1回目のカジリガメ戦後にお互いの主力が上レーンに集まり、無理をしたチームが負けてキルを取られるパターンだが、多くの場合はその時間でファームをした方が効果的だ。特にカジリガメを取られてレベルで負けているチームが上レーンに突撃したところでロトムを取れる可能性すら低く、仮に取れた場合でも大したアドバンテージにはならない。
集団戦での自分の役割を強く意識する
至極当たり前の話ではあるのだが、これができていないプレイヤーは多い。なんとなく集まってなんとなくユナイトを吐きあってなんとなく結果が決まる集団戦をやっているうちは勝率が安定しない。例えばヨクバリスの役割は積極的に前に出て視界を取ること、欲しがるで相手に嫌がらせをしながら技を吐かせること、相手の後衛に圧をかけて下がらせ、間接的に味方を守ることだ。カイリューならば圧倒的なラストヒット性能があるので、集団戦では必ず生き残ってサンダーに触れる状況を作ることを意識する。ファイトで少し有利を作ってもカイリューが死んでしまっては意味がないのだ。
それぞれのポケモンの役割については各々考えてもらうか、上手い人の配信などを見るしかないが、これを意識するだけで集団戦への貢献度が変わってくるはず。役割を自分で見つけられない人は、後述の相性に関する話も参考にしてもらいたい。
自分が殴るべき相手を考える
これを意識するようになってから明確に勝率が上がったと感じているコツ。本家ポケモンほどではないが、ポケモンユナイトにもポケモン同士の相性差は存在する。有名なところでは、神速を妨害して止めやすいプクリンやヨクバリスがルカリオに強く出られることが知られているだろう。そういった相性差は大小含めて無数に存在する。
全ての相性を正確に把握するのは難しいので、自分が殴るべき相手が低耐久の後衛ポケモンなのか、高耐久のポケモンなのかは考えておくのがおすすめ。例えばヨクバリスは欲しがるで相手の妨害を突破できるが、ゲップの単発火力はそこそこ止まりなので相手の後衛ポケモンを狙うのに向いている。一方でカイリューは割合ダメージ付きの破壊光線の瞬間火力が魅力なので、タンクや瞬間火力を求められるアマージョを殴るのに適している。目についたポケモンを適当に殴るのではなく、相性の良い相手を狙って攻撃することでパーティー単位で効率的に火力を出すことができる。
何か質問や意見などがあればコメントに書いていただきたい。本記事が読者の方々の野良ユナイトライフを少しでも快適にできれば幸いである。
【MTG 統率者戦】$100制限構築 《雑食するもの、グロルナク》
0 序文
「イニストラード 真紅の契り」で登場した新しい統率者である《雑食するもの、グロルナク》(以下グロルナク)の$100制限構築の紹介。cEDHで愛用している《ギトラグの怪物》と同じカエルである点が気に入ってデッキを組み始め、当初はcEDH用に調整していたのだが、《ダウスィーの虚空歩き》と《ドラニスの判事》がどうにもならなかったので身内フォーマットである$100制限構築用に組み直した。パワーレベルは5-6といったところで、カジュアルながらデッキとしてはまとまっている。
身内ルールに則り、ジェネラルを除いた99枚をmoxfield価格で$100以下にして構築してある。基本土地は$0として計算する。
デッキリスト$100 Grolnok, the Omnivore - Commander (Grolnok, the Omnivore) — Moxfield, a deck building website for Magic the Gathering
おまけデッキリスト cEDH向けグロルナク
Grolnok, the Omnivore - Commander (Grolnok, the Omnivore) — Moxfield, a deck building website for Magic the Gathering
1 《雑食するもの、グロルナク》の特徴
《ギトラグの怪物》の卵にカルト教団が秘儀魔法を使うことで生まれたイニストラードのアイドル。つぶらな瞳が可愛い。
能力としては墓地利用の一種で、ライブラリから直接墓地に送られたパーマネントカードを使用可能にするというもの。自軍のカエルに切削能力を持たせるため、自分が殴るだけでリソースを稼げるイカしたやつ。カードが墓地に置かれたときに誘発して蛙声カウンターが置かれるため、《ダウスィーの虚空歩き》の置換効果で追放されると機能停止する。許せん。
1.1 《雑食するもの、グロルナク》の長所
・リソース戦に優れている
自身が殴っているだけで毎ターン3枚切削できる上に、一般的に自分のライブラリを削る効果はドローより枚数が多く設定されているため大量のリソースを得られる。かの有名なパワー9の《Ancestral recall》は1マナ3枚ドローだが、このデッキの《秘本掃き》は1マナで実質4枚ドロー(このリストのインスタント+ソーサリーは20枚)だ。
・$100制限構築で強いシミックカラー
$100制限ルールでは《魔力の墓所》のようなEDH定番マナ加速が値段の都合上使えないため、安価で強いマナ加速を採用できる緑が強カラーとなっている。そして青は豊富なカウンターとリソースカードを擁するMTG最強カラーだ。$100制限では定番サーチである「変成」能力が使える黒がないのが惜しいが、2色の組み合わせとしては最強と言える。
1.2 《雑食するもの、グロルナク》の短所
・キーパーツのサーチが不安定
無制限構築ならばグロルナクと相性抜群な《直観》があるのだが、このルールにおいては採用できないためコンボパーツを揃えるのが難しめ。擬似ドローによるリソース確保には長けているため、複数のコンボを採用することで勝ち手段にアクセスしやすいようにした。
・やることがバレバレ
グロルナクの効果で追放したカードは対戦相手にも見えるため、コンボパーツが揃った際にオープンリーチ状態になってしまう。
・ジェネラル依存が激しい
デッキ全体がシナジーに寄っていて汎用性の低いカードも多数採用されるため、カウンターされるなどしてグロルナクが着地できない場合の動きが苦しい。新しいカードということもあって初見だと通してくれることが多そうなのが幸いか。
2 勝ち筋・コンボ
無限切削からの《タッサの神託者》による勝利を狙う。グロルナクが立っていれば切削するだけで《タッサの神託者》が墓地に落ちて使えるようになるため、サーチする必要がないのが長所。cEDH用に組むならば《隠遁ドルイド》の1枚コンボを運用するのがいいが、$100制限で基本土地を使わずにデッキを構築するのは実質的に不可能であるため採用していない。上述の通り、豊富なリソースによって複数パターンのコンボのうちどれかを揃えて勝つことになる。
2.1 《玄武岩のモノリス》+《催眠の宝珠》
《催眠の宝珠》がある状態で《玄武岩のモノリス》を無限回タップ、アンタップを繰り返すことによって無限切削が可能なコンボ。《催眠の宝珠》はリソース稼ぎとして普通に置いても強いが、危険を察知した相手に破壊されやすいので注意が必要。
共に《加工》でサーチできるほか、《玄武岩のモノリス》は《幻の漂い》で、《催眠の宝珠》は《交錯の混乱》と《捧げ物の魔道士》でもサーチ可能。
2.2 《稲妻のすね当て》+《セファリッドの幻術士》
《セファリッドの幻術士》が装備の対象になった際にも切削を行うことから、《稲妻のすね当て》を何度も付けることで無限に切削できるコンボ。《稲妻のすね当て》が単体でも強く、1ターン目マナクリーチャー→2ターン目《稲妻のすね当て》→3ターン目グロルナクで攻撃という流れを可能にしてくれる。
共に《交錯の混乱》でサーチ可能なほか、《稲妻のすね当て》は《加工》や《捧げ物の魔道士》でも探せる。
2.3 《鏡狂の幻》+コピー呪文
《鏡狂の幻》をコピーして能力を起動することで、《鏡狂の幻》がデッキ内にない状態で《鏡狂の幻》が出るまでデッキを捲ることになるため、デッキが全て切削されるコンボ。コピー呪文は《カエル声の写し身》と《覆滅+複製》の2枚採用している。《鏡狂の幻》は単体でも大量に切削が可能で、コピー呪文は相手の適当な強いクリーチャーを対象にするだけでもそこそこ強いため、コンボ以外でも汎用性を保てているのが優れている点。
コピー呪文は《交錯の混乱》か《幻の漂い》でサーチできる。
3 キーカード解説
パーマネントマナ加速
グロルナクの能力によって使えるように、マナ加速枠は《不屈の自然》や《耕作》といったソーサリーではなくマナクリーチャーやアーティファクトを優先している。実質的な手札リソースは大量に得られるため、グロルナクキャスト後も継続的にマナ加速をしながらどんどんパーマネントを並べる展開が理想。パーマネントマナ加速と相性の良い《眷者の神童、キナン》も採用した。
パーマネント妨害
マナ加速枠と同じ理由でパーマネントによる妨害カードを優先している。平均キルターンが早いデッキではないので、豊富なリソースを相手の最速コンボの妨害に当てながらコンボパーツを集めるイメージ。$100制限構築ではこのデッキ同様ジェネラル依存が強いデッキが多いため、《ケンリスの変身》や《支配魔法》は強烈に刺さる。
出来事カード
グロルナクの能力は「パーマネント」カードに蛙声カウンターを乗せ、蛙声カウンターの乗った「呪文」を唱えられるため、グロルナクの能力で追放された出来事クリーチャーのソーサリー/インスタント面を唱えることが可能。この構築では追加で切削できる《マーフォークの秘守り》とカウンターの《惑乱スプライト》を採用した。
《記憶の旅》
カウンターされるなどして墓地に落ちてしまった《タッサの神託者》を回収するためのカード。無限切削した際には必ずこのカードも落ちているはずなので、保険付きでコンボを始動できるのが魅力。一応このカード自体も《根のとぐろの忍び寄るもの》で回収できる。cEDHでは相手の《死の国からの脱出》コンボを妨害できるので意外と汎用性が高い。
4 プレイ方針
グロルナクがいればリソースはいくらでも稼げるので、マリガンは3ターン目にグロルナクが着地するハンドならキープできる。即効性のある切削やカウンターがあるとなおよし。
実質ドローは多いがドローはできないデッキなのでカウンターは貴重。相手の妨害はパーマネントに任せ、カウンターはコンボを通す際に使いたい。
途中でカウンターを挟むことなどを考えるとコンボを通すためには大量に青マナが必要になるため、土地を置く際は青マナ優先。
勝てるようになるターンは相手も妨害を構える余裕ができているため、自分もカウンターを用意するか、リカバリーの準備をしてからコンボを始動する。
5 あとがき
一見地味だが、使ってみるとリソースを稼ぐ能力が尋常ではなく高いため使っていて楽しいジェネラルだった。これを読んだ貴方も一緒にグロルナクを使うケロ〜
🐸 <《ダウスィーの虚空歩き》は禁止すべきケロ〜
【MTG 統率者戦】 cEDH入門 ギトラグの怪物 解説記事
0 序文
この記事は競技的な統率者戦、通称cEDHにおける《ギトラグの怪物》デッキの紹介である。いわゆるパワーレベルでは9〜10、ゲームのエンドターンは2〜5になることが多く、《意志の力》をはじめとしたピッチカウンターやデモコンタッサがバシバシ飛んでくるような環境を想定している。禁止改定としては《船殻破り》禁止後で、《ダウスィーの虚空歩き》が登場した後である。
1 《ギトラグの怪物》の特徴
恵まれたスタッツになぜか付いている接死と、どこが伝説なんだとツッコミたくなる没個性な名前がチャーミングなクリーチャーだが、cEDH界においては珍しい非青ジェネラルとして活躍している。ドロー効果による継戦能力はもちろんのこと、最大の特徴は《ダクムーアの回収場》(以下ダクムーア)とのコンボであり、ギトラグを一線級ジェネラルに押し上げている。
1.1 ギトラグの長所
・カウンターに強い
一般的なcEDHデッキに採用されているカウンターは10枚前後だが、そのうち無条件でクリーチャーを弾けるのは《意志の力》《否定の契約》《マナ吸収》くらいであるため、キャストするのがギトラグ+共鳴者(手札を捨てられるクリーチャー)だけであるダクムーアコンボにカウンターが刺さらない可能性が高い。
・どこから勝つのか分かりにくい
カウンターのされにくさから、いつの間にかギトラグ側の手札にコンボパーツが集まり、カウンターされないクリーチャーのキャストだけでコンボが始まって勝ってしまうパターンが存在する。また、後述のクリンナップループはキャストすら挟まずに開始するため、相手からすると対応しづらい。
・リソースが続きやすい
持ち前のドロー能力によって手札を得やすく、一度コンボが失敗してもパーツを集め直して再チャレンジが可能。場が膠着している場合でもリソースを蓄えながら虎視淡々とコンボチャンスを窺うことできる。
1.2 ギトラグの短所
・青がない
豊富なカウンターやドローを有する青を使わないのはcEDHにおいてハンデ同然。
・除去に弱い
クリーチャーコンボであるため除去に引っかかりやすい。共鳴者のキャストに合わせてギトラグを除去されるとお手上げ。また、どこから勝つのか分かりづらいという特徴が裏目に出て、対面から雑に除去が飛ばされることも多々ある。
・墓地対策、ドロー制限に弱い
ギトラグは毎ターンの維持コストをドローに変換することでアドバンテージを失わずに場に居続けられるのだが、《ダウスィーの虚空歩き》や《概念泥棒》を出されると純粋なアド損になって苦しくなってしまう。ギトラグ側からの対処札も存在するものの、そこにサーチまで吐いてしまうと結果的にコンボパーツを集めきれないことが多い。
2 コンボについて
2.1 共鳴者ループ
条件:場にギトラグ、共鳴者(手札を捨てる機動効果を持つクリーチャー)、手札にダクムーア
①共鳴者によってダクムーアを墓地に落とす。ギトラグのドロー効果が誘発
②ドローをダクムーアの発掘で置換する。その際に土地が墓地に落ちるともう一枚ドローできる
③エルドラージが墓地に落ちるとライブラリー修復効果が誘発し、墓地がライブラリーに戻る
以上を繰り返すことでデッキ内の全てのカードを無限にドロー、回収し使い回すことができる。あとは《睡蓮の花びら》から無限マナを出して《破滅の終焉》を撃てば勝ち。
また、このコンボはインスタントタイミングでも可能なのが特徴で、《暗黒の儀式》で無限黒マナを出してから《黒檀の魔除け》などを無限にキャストして勝利することができる。《黒檀の魔除け》を採用しない場合は《輪作》と《ガイアの揺籃の地》によって緑無限マナも出して《暗殺者の戦利品》を無限キャストすると相手の盤面は全て消滅する。
2.2 クリンナップループについて
ギトラグのコンボの中で非常に特殊かつ難解なのが、終了ステップ後にターンプレイヤーの手札が8枚以上ある際に、7枚になるように手札を捨てることを利用したクリンナップループである。ルールをよく理解していないと誤った処理をしてしまったり、本来できるはずだったコンボを逃したりすることに繋がるので、ギトラグを使う場合は周りのプレイヤーに説明できるレベルにはしておきたい。
2.2.1 クリンナップループの原理
条件:場にギトラグ、手札がダクムーアを含む8枚以上
①クリンナップステップでダクムーアを捨てる
②土地が墓地に落ちたのでギトラグのドロー効果が誘発
③ダクムーアの発掘効果でドローを置換し、ダクムーアが手札に戻る。発掘の際に土地がさらに落ちた場合はギトラグが再び誘発し、追加で1枚ドロー
④手札が8枚、追加でドローした場合は9枚になっているはずなので、新たにクリンナップステップが始まって①に戻る。9枚になっていた場合はダクムーアと共に不要なカードを捨てる
以上の手順を繰り返すことで、③のドローと④のディスカードを無限に行うことができ、エルドラージたちのライブラリー修復効果を併せることで手札を理想の7枚+ダクムーアにすることができる。
ここで注意すべきなのが、④で新たなクリンナップステップが始まる際にステップを跨いだマナが全て消えることで、無限マナを生み出すためにはどこかで共鳴者ループに入らなければならない。
2.2.2 クリンナップからの勝ち方①《黒檀の魔除け》採用型
条件:場にギトラグ、手札がダクムーアを含む8枚以上、《Elvish Spirit Guide》を追放していない
①クリンナップループによって手札を整える。必要なのは《暗黒の儀式》《忘却の冠》《Elvish Spirit Guide》《輪作》、ダクムーアの5枚で、あとは場合によって《夏の帳》などを加えておく
②ギトラグの誘発効果が解決されてスタックが空になった後にもう一度優先権が回ってくるので、《Elvish Spirit Guide》で緑マナを出し、適当な土地をサクって《輪作》をキャストし黒マナが出る土地を持ってくる
③《暗黒の儀式》で黒3マナに増やし、2マナで《忘却の冠》を適当なクリーチャーを対象に付ける
④黒1マナ余った状態で共鳴者ループに入れるため、《暗黒の儀式》を連打して黒無限マナを出し、《黒檀の魔除け》を無限キャストして勝ち
この手順によって浮きマナなしの状況からでも勝利することができる。浮きマナがある場合は《夏の帳》などを構えることで相手の妨害に対応するとよい。
2.2.3 クリンナップからの勝ち方②《黒檀の魔除け》不採用型
条件:場がギトラグを含む2体以上、手札がダクムーアを含む8枚以上、《Elvish Spirit Guide 》を追放していない、《ガイアの揺籃の地》が手札かライブラリーか墓地にある
①クリンナップループによって手札を整える。必要なのは《暗黒の儀式》《忘却の冠》《Elvish Spirit Guide》《輪作》ダクムーアの5枚。残りの3枚は何でも良いが、《ガイアの揺籃の地》はライブラリーに残しておく
②クリンナップループの③で追加ドローが発生し、手札が9枚になったところからコンボスタート。《Elvish Spirit Guide》を追放して《輪作》を唱え、《ガイアの揺籃の地》を持ってくる(このとき、手札を2枚使ってギトラグで1枚ドローするため、手札が8枚になる)
③もう一度クリンナップループを行い、《輪作》を手札に戻す
④ギトラグのドロー誘発が解決され、スタックが空になったら優先権をもらえる。《ガイアの揺籃の地》から緑2マナを出し、そのままサクって《輪作》をキャストし、黒マナが出る土地を持ってくる(緑1マナ浮き)
⑤《暗黒の儀式》から《忘却の冠》を唱え、緑1マナ黒1マナ浮きで共鳴者ループに入る
⑥《暗黒の儀式》で黒無限マナ、《輪作》で《ガイアの揺籃の地》と適当な森を交互に出すことで緑無限マナが出るため、《暗殺者の戦利品》を相手の全てのパーマネントに無限に唱えて更地にする。除去なども無限に構えられて実質詰みにできるため、相手に投了してもらう。
こちらの手順ではライフルーズによる直接的な勝ちにはならない一方で、強いカードとは言えない《黒檀の魔除け》を採用しなくても良いというメリットがある。《汚れた契約》で《黒檀の魔除け》を飛ばしてしまっても安心。前述のコンボと同じく、浮きマナがある場合は《夏の帳》などを構えるとよい。
2.3 《ゴルガリの墓トロール》によるダクムーアサーチ
①共鳴者で適当な土地を捨てるなどしてドローを発生させ、《ゴルガリの墓トロール》の発掘で置換
②発掘6の中に土地が含まれているともう一度ドローが誘発するため、それにスタックして《ゴルガリの墓トロール》を墓地に捨て、再び発掘で置換
③ダクムーアが墓地に落ちるまで②を繰り返す。エルドラージが墓地に落ちた場合も、土地が同時に落ちればライブラリーを修復したのちに続行可能。土地が落ちずに止まってしまった場合も、もう一枚手札から土地を捨てるなどしてドローを発生させれば再チャレンジできる
以上の手順で高確率でダクムーアをサーチすることができる。既に共鳴者が場に出ている前提のため、共鳴者ループに移行可能。このサーチ手段があることで《俗世の教示者》をはじめとしたクリーチャーサーチを実質的にダクムーアサーチに変換できるのが優れている。
3. キーカード解説
《ダクムーアの回収場》
ギトラグとのコンボで無限ドローを生み出す生命線。このカード以外の勝ち筋は存在しないため、《未知な領域》を《敵対工作員》されたりするとこのカードが追放されて虚無の時間が始まる。
《無限に廻るもの、ウラモグ》
ダクムーアの無限ドローの中でライブラリーがなくなるのを防ぐために採用されている。《汚れた契約》で追放しても良いように《真実の解体者、コジレック》との2枚体制。スタックス相手などでロングゲームになった際には素でキャストすることもあるが、そのルートを勝ち筋に換算できるほどcEDHは甘くない。
《野生の雑種犬》
共鳴者の1枚。コストの面では《朽ちたインプ》に劣るものの、《緑の太陽の頂点》や《召喚士の契約》によってサーチできる点で勝るため両採用。ほぼ同じカードとして《首絞め》も存在しており、2枚とも採用するかどうかは使用者によるところ。
《森を護る者》
ギトラグの苦手な除去から身を守れる上に、不要な土地を自発的に墓地に送ることでドローに変換し、コンボパーツサーチやクリンナップループに繋げられるすごいカード。一度被覆を付けたクリーチャーに再び被覆を付けることはできないので、同じクリーチャーを対象に何度も効果を発動させたい場合はスタック上で重ねることが必要なことに注意。同様に、《汚物の雨》や《資源の浪費》といった他の土地をサクれるスペルでもクリンナップループに繋げられる。
《黒檀の魔除け》
インスタントタイミングで無限黒マナから無限キャストすることで勝利できるカード。同様のカードとして布告除去の《ゲスの評決》なども存在するが、《死の国からの脱出》全盛期である現在のcEDH環境では墓地追放モードを持つこのカードがオススメ。
《ネクロポーテンス》
強力なリソース確保カードとしての運用は他のデッキと同じ。このカードの存在下でダクムーアが落ちた場合は、ギトラグのドロー→墓地追放効果という順に解決することで追放前にダクムーアを回収できる。クリンナップループを無限に回すことは不可能になるため、試みる場合は一回ずつ省略せずにプレイする必要あり。
4. プレイ方針
4.1 マリガン
少なくとも3ターン目までにギトラグが出る+コンボパーツサーチの目処が立つ手札をキープする。土地はドローに変換できるため4枚程度までなら初手にあってもよく、逆に2枚以下の初手はギトラグの維持コストが厳しくなるためあまりキープしたくない。
1ターン目に《闇の腹心》や《森の知恵》が出る手札は割と甘めにキープ可能。
《ウルザの物語》によるアーティファクトサーチを前提としたキープは危険で、大抵《敵対工作員》に奪われて破産することになる。サブプランの用意を。
4.2 プラン①速攻
コンボパーツが手札に揃ってさえいればギトラグ+共鳴者のキャストだけでコンボを始められるので、うまくいけば2~3ターン目にはコンボを始動できる。特にダクムーアを素引きしている場合に奇襲性が高く、相手がカウンターを撃つタイミングがないままコンボを決められることもある。現代cEDHで速攻と呼べるのはせいぜい3ターン目の1番手くらいまでなので、それまでに間に合わなかったり、相手が露骨に構えている場合はプラン②に移行する。
4.3 プラン②多段構え
3ターン目以降はお互いに妨害を構えあって進行することになるため、適当にコンボを始めるだけではすぐに止まってしまう。コンボを通すためには、相手の妨害が少ないタイミングで、リカバリールートを用意しながら始動する必要がある。
具体的なチャンスのタイミングとしては、他のプレイヤーが勝ちに向かって走り、それをさらに他のプレイヤーが妨害して止まった直後。卓全体での打ち消しが減っている状態のためコンボを通しやすい。サーチ呪文を複数手札に用意するなど物量作戦で妨害を乗り越えても良いし、《森を護る者》で除去から身を守ったり、《夏の帳》でカウンター対策をするなど、やれることは全てやってコンボを試みる。ギトラグのドローと強固なマナ基盤が物量作戦を支えてくれる。
4.4 ギトラグへのメタカードと、その対抗策
《ダウスィーの虚空歩き》
墓地に落ちるカードを代わりに追放し、おまけにそのカードをタダで使ってくる意味不明なクリーチャー。《死の国からの脱出》に刺さることもあり、殆どの黒いデッキに採用されている。ギトラグの維持コストで土地が墓地に落ちなくなるためドローすらできず、場合によっては維持コストを支払わずに統率者領域に戻ってもらうこともある。合言葉は「ギトラグ、お前もう船降りろ」
もちろん自分で除去しても良いが、実際にはそんな余裕もないこともあり、他人に除去してもらうのを待った方が良いことも多い。刺さる相手が多いということは、除去の対象になりやすいということでもある。追放したカードを使うためには自身をサクる必要があるため、勝手に消えてくれることもある。
《概念泥棒》
ギトラグのドロー効果に対応してドローをパクってくる最悪なクリーチャー。《ダウスィーの虚空歩き》と比べるとギトラグ以外の勝ちルートを阻害していない場合が多く、他人の除去は期待しにくい。あまりにこのカードが流行っているようであれば《暗黒波》の採用も一考。
発掘によってドローを置換すれば奪われることはないため、既に共鳴者+ダクムーアが揃っていれば相手に無限ドローを発生させてライブラリーアウトを狙うことができる。おそらく相手は途中で引いた《致命的なはしゃぎ回り》などを撃ってくるため、その上から余分な土地を捨てることで再度無限ドローを発生させると良い。ライブラリーアウトすら狙わせてくれない《船殻破り》が禁止されたことでギトラグの立ち位置は向上した。
《沈黙》
《夏の帳》でも《森を護る者》でも防げないからギトラグは確実に止まる……と思いきや、効果がクリンナップステップで消えるためクリンナップループに入れば勝てるし、なんなら次の相手のターンのアップキープに勝ってもいいため困らない。
5 採用を検討できるカード
《森の占術》
ダクムーアをサーチできるが、それ以外できないカードなので汎用性が低く採用していない。
《ナイレアの介入》
土地を複数枚サーチできるカードで、そのままクリンナップループに入りやすいのが強み。《森の占術》よりはこっちの方がいい。動きが大振りすぎるのと、相手にギトラグについての知識があると絶対に通してくれないためデッキから抜いた。
《Bazaar of Baghdad》
高すぎるので入れていない
ギトラグがいると実質的にアド損せずにルーティングできるため強力。《常智のリエール》とは異なり、土地を3枚捨てても追加ドローは1枚である点に注意。
《落葉の道三》
勝利宣言カード。ここに《意志の力》などのクリーチャーに当たるカウンターを使ってくれれば次の共鳴者が通りやすくなっていいかもしれない。《異界の進化》まで採用すれば、共鳴者をサーチすると見せかけてこのクリーチャーを出して動きを封じる奇襲も可能になる。どこかで試してみたい。
6 あとがき
ギトラグは効果処理こそ複雑なものの、狙うコンボが明確でプレイ方針も分かりやすいためcEDH入門には適したジェネラルだと考えている。青のカウンター合戦に疲れたあなたにもオススメ。主要コンボパーツであるダクムーア、共鳴者が安いため、《Timetwister》などを含んだ超高額デッキになりがちなcEDHの中では比較的安めに組めるのもポイント。《ガイアの揺籃の地》や《適者生存》はなくても戦えるが、《Bayou》だけはフェッチのサーチ先として必須なのでなんとかして欲しい。
この記事を書くにあたって海外のリストや動画、先駆者様たちの記事を参考にしたが、至らない点も多く存在する。質問や指摘などがあればコメントしていただけるとありがたい。
【MTG ドラフト】フォーゴトン・レルム探訪リミテッドプレビュー アーティファクト・多色編
本記事のカードの記載順は以下の公式ギャラリーに従っている。注目カードのみを知りたい方は記事下部を参照。
『D&D:フォーゴトン・レルム探訪』 | マジック:ザ・ギャザリング
評価基準
基本的にはMTGwikiのドラフト点数表に関する記事にしたがって点数を付ける。フォーマット想定はMTGアリーナのプレミアドラフト、またはクイックドラフト(BO1)。
大雑把に言えば10点満点で8点以上が初手~3手目クラス、6点以上が1周目で消えるくらいのカード、3点以下は基本的にアンプレイアブルだと思ってほしい。
今回は紹介するカードが少なめなので、多色アンコモンの解説に各アーキタイプの印象も記しておいた。参考までにどうぞ。
アーティファクトコモン評価
《グレートアックス》
評価:5点
《ブルーノー・バトルハンマー》が複数取れている場合のみ一考の余地がある。普通に使う分には装備コストが重すぎて運用しづらい。
《皮の鎧》
評価:5.5点
赤白で《ドワーフホールドの勇者》につける以外だとバリューが低い。
《ミミック》
評価:4点
何に使うのかが不明。フレーバーを楽しむカード。
《予備の短剣》
評価:6.5点
《ノールの狩人》をはじめとしたパワー2集団戦術クリーチャーの補助として、《ブーツ・オヴ・スピード》や《決闘のレイピア》の枚数に不安があれば採用できる。1点ダメージも痒いところに手が届く。
《とげの落とし穴》
評価:6点
かなり重くはあるが、重めのデッキで除去の枚数が足りない際には採用できるレベルではある。《略取するバーバリアン》に雑にアドバンテージを稼がれないよう、特に対赤では瞬速でプレイして即起動を意識したい。
《保有の鞄》
評価:7点
それほど速いデッキではない割にマナフラッド受けが少ない、緑白や黒赤のようなデッキに採用すると良い働きをしてくれる。アーティファクト破壊を食らうとそこそこ痛いので気を付けたい。
《ダンジョンの地図》
評価:6点
3ターン目にこれを置くのを許してくれる環境にはあまり思えない。《アウルベア》のような強力な5マナに繋げられるなら採用しても良いだろう。マナファクトなのにマナフラッド受けにもなってくれるのは嬉しい。
《50フィートのローブ》
評価:5点
よく見たら真ん中の能力に「タップする」が書いていなくてガッカリしたカード。これを入れている枠があるのなら普通にクリーチャーを入れたほうがいい。
《アイアン・ゴーレム》
評価:5.5点
大したことないスタッツなのに小回りが利かず扱いづらい。どちらかというと殴るデッキ向きではある。
多色アンコモン評価
《ウンドゥル族のバローウィン》
評価:7点
ダンジョンを踏破しているターンに3/3が殴るのはしんどいので《盗人の道具》が欲しいところ。このカードがあるから白黒にしようと思えるほどではなく、多色アンコモンとしては物足りない感じ。
白のダンジョン探索を黒の除去で補助するカラー。青が入っていない分アドバンテージ獲得能力に乏しく、かといって戦闘能力が高いわけでもないのでどっちつかずになりがちに見える。《パワー・ワード・キル》のような黒のパワーカードをピックしていたら白の流れが良かったときにプレイするくらいだろう。積極的にやりたいカラーではない。
《ブルーノー・バトルハンマー》
評価:7.5点
中型〜大型クリーチャーが出てきて、自軍の装備品付きクリーチャーが止まりだす頃合いに着地し、強引に攻撃を継続できる装備品ロード。装備コストが重めな《メイス+2》などの装備品もグッと使いやすくなる。
赤緑と並ぶアグロ戦略カラー。《レンジャーの鷹》などの飛行に装備品を付けて殴れるのが赤緑にはない長所で、除去が十分にあればミッドレンジ気味にも組める。赤の優秀なカードを赤緑と食い合いになるのが不安点。
《デヴィルに選ばれし者、ファリダ》
評価:7.5点
ダイスから得られるメリットがかなり大きく、青赤を目指す動機になるカード。余談だが、「デヴィル」が種族名の「デビル」と表記揺れしているのが非常に気になる。アリーナの翻訳班といい、ウィザーズの日本語訳担当はもう少し余裕を持って翻訳をして欲しい。
カラーとしてはミッドレンジに属する。とにかく《ファリダ》と《フェイワルドのペテン師》のアドバンテージで押していくデッキになりそうなので、参入するかどうかはこの2枚を見て決めたい。クリーチャーのスタッツが貧弱で後攻時に苦戦を強いられそうなため、《ドラゴンの火》のような軽量除去は複数確保しておきたいところ。
評価:6.5点
4マナで《成長のらせん》なんてやっている場合ではないことが多そう。このカードがあるからと言って緑青に進むと痛い目を見る。他のパワーカードが十分に取れている段階で拾えたら嬉しい。
このセットで唯一アーキタイプが不明瞭なカラーで、一応ランプ戦略ということになっているらしい。赤緑や赤白、青黒といったクロックの速いデッキが強そうな環境でランプ戦略がどれだけ通用するかは怪しいと思っていて、積極的に参入したいカラーではない。2色土地がなくランプが得意なタッチ戦略を取りづらいのも向かい風。
《遺跡探し、ハーマ・バシャール》
評価:7.5点
ダンジョン探索は回数を重ねるごとに効果が強力になるため、高速で探索を進められるこのカードは強力。早いターンで踏破できれば《回廊のガーゴイル》などのパワーカードとアドバンテージ差で圧倒できる。
白青はこの環境で最も遅いカラーで、ゆっくり相手の攻撃を受け止めてからの展開になる。膠着した盤面で継続的なアドバンテージを生む効果を持つクリーチャーが多く、リソース合戦になれば最強。問題は《盗人の道具》で確実にダメージを通してくる黒がらみのデッキや超高速の赤緑の攻勢に耐えるための手段を用意できるかどうかで、特に除去はかなり厚くピックしたい。
《隠棲した絵描き、カレイン》
評価:7点
効果を発揮できれば強いが、何回も発動できるとは思えないので多色アンコモンの中ではパッとしない感じ。2マナではあるが戦闘には参加しづらいため、多くても2枚までに採用数を抑えたい(そもそもアンコモンではあるが)。
黒赤は宝物シナジーのカラーということになっているが、《墓所のグール》+《忠誠の代価》のパクリファイスコンボや豊富な除去で盤面を抑える除去ミッドレンジとしての特徴が濃いように見える。《カレイン》から一気に寄せるというよりは、強い除去をピックしながら色の空き具合を見て参入したい。
《バルダーズ・ゲートのクライドル》
評価:7.5点
青黒のキーになっている「戦闘ダメージを与えたとき」シナジーによく噛み合っており、自身も継続的にアドバンテージを獲得できるためかなり使いやすい。コンビを組むべきはやはり《魂刀のスパイ》と《ユアンティの毒牙刃》だろう。
攻撃を通す手段に長けたカラーになっており、ノロノロしたデッキには打点とアドバンテージを稼ぎ続けてそのまま勝ってしまうポテンシャルがある。自分より速い動きをしてくる赤緑アグロへの対抗策が難しいのが苦しいところで、軽い黒の除去はなんとしてでも確保しておきたいところ。
《死の囁き、シェスラ》
評価:6.5点
強い盤面と弱い盤面がハッキリしすぎていて、良くも悪くも今環境の黒緑カードという印象。ブロッカーにすらならないスタッツが足を引っ張る可能性は高い。デッキに1枚までの採用にしたい。
黒緑のキーワードである「このターンにクリーチャーが死亡していた場合」が、優勢な盤面を更に有利にするためのものなのであまり好みではない。シナジーを意識しすぎず、《アウルベア》《死神のタリスマン》《パワー・ワード・キル》のようなパワーカードを中心に戦う方が良いだろう。《パープル・ウォーム》を5ターン目に叩きつける動きは流石に強そう。
《悪魔牙のノール、ターグ・ナール》
評価:7.5点
赤緑アグロの集団戦術をさらに強化する特攻隊長。装備品を付けて《ホブゴブリンの隊長》とともに殴ってもよし、起動効果を発動して強引に殴ってもよし。
おそらくこの環境を定義するカラー。優秀な2マナクリーチャーを大量に採用して《ブーツ・オヴ・スピード》や《決闘のレイピア》で補助できれば並みのデッキは吹き飛ぶ。相手する際も、特に《ホブゴブリンの隊長》を止められないデッキ構成にはしたくない。赤の除去と《アウルベア》や《ドラゴン》を活かしたミッドレンジタイプも強そう。
《月の踊り手、トレラッサーラ》
評価:8点
《天界のユニコーン》と並んで緑白の2トップ。継続的にライフを得る手段と組み合わされば誰も止められるものはいない。
緑白は《トレラッサーラ》《天界のユニコーン》のアタッカー、《裕福な亭主》《ドルイド・クラス》などのライフゲイン手段をバランスよく取る必要があり、しかもそれらの多くがアンコモンであるためハードルが高め。その代わりに最大値も高く、特に構造上アグロデッキと有利に殴り合えるのは良い点。卓1であることを見極めて参入したい。
今回の多色アンコモンは強さにバラツキがあって、それに強く依存しているカラーも緑白と青赤くらいなのでピックは除去優先で柔軟に行った方が良さそう。多色サポートが《進化する未開地》しかないから基本的には2色で。
ドラフトはアグロカードが強く、いつにも増してシールドとドラフトで強いカラーが異なりそうなセットという印象。
【MTG ドラフト】フォーゴトン・レルム探訪リミテッドプレビュー 緑編
本記事のカードの記載順は以下の公式ギャラリーに従っている。注目カードのみを知りたい方は記事下部を参照。
『D&D:フォーゴトン・レルム探訪』 | マジック:ザ・ギャザリング
評価基準
基本的にはMTGwikiのドラフト点数表に関する記事にしたがって点数を付ける。フォーマット想定はMTGアリーナのプレミアドラフト、またはクイックドラフト(BO1)。
大雑把に言えば10点満点で8点以上が初手~3手目クラス、6点以上が1周目で消えるくらいのカード、3点以下は基本的にアンプレイアブルだと思ってほしい。
コモン評価
評価:6点
発動条件が厳しめで、複数回発動してやっと強い程度の能力なので使いづらさが目立つ。戦闘で自分のクリーチャーが死亡したターンの戦闘後メインフェイズに出す運用を意識したい。
《雄牛の協力》
評価:7点
攻防共に使いやすく採用しやすいコンバットトリック。デッキに1~2枚あると攻撃できるシチュエーションがグッと増える。
《月の円環のドルイド》
評価:6.5点
《ノールの狩人》のようなパワー2クリーチャーと組んでも集団戦術を誘発できるのが特長。受けにおいても《ホブゴブリンの隊長》を受け止められるタフネス4が頼りになる。赤緑なら採用しやすい一枚。
《コンペルド・デュエル》
評価:6点
相手の起きているクリーチャーが1体の時に最大の効果を発揮するカードで、強いシチュエーションが限られているのが惜しい点。ソーサリータイミング限定なのが逆に集団戦術と相性がよく、レアではあるが《群れ率いの人狼》をピックできている場合は採用する価値がある。
《うろつくダイア・ウルフ》
評価:6点
単純にカードパワーが低めで使いにくい。3マナ域が足りない場合でも2マナクリーチャーを追加して装備品とのくっつきを意識した方が良い可能性すらある。5/4/4速攻として輝ける場面はあるかもしれない。
《エルターガルドのレンジャー》
評価:5.5点
何に使うのかが分からないカード。多くの《ドラゴン》と相討ちできるのが唯一褒められる点。
《ファインド・ザ・パス》
評価:6.5点
カードは強いが、このカードが入るのがアーキタイプ不明の緑青しかない。次のターンに繋がる6マナ帯に《群喰らいのヒル・ジャイアント》がいるのは心強い。
評価:7点
赤緑を代表するアタッカー2枚目。素のパワーが2しかないので、1回目の集団戦術の誘発に装備品などのバフを要する場合が多いのが難点。一度でも誘発できればこっちのもの。
評価:6.5点
半端な装備品などでは乗り越えられないスタッツとライフゲイン能力でアグロをしっかりと食い止めてくれるクリーチャー。《ファリダの火の玉》で焼けないのも安心感がある。巨体を活かすためにトランプルを付けたいが、装備品では赤にしか存在しないのが残念。
《鼓舞するバード》
評価:6.5点
どちらのモードも及第点で、赤緑や緑白に入れるなら損はしない。このカードより強いカードはたくさんあるので、保険的にピックするのが良いだろう。
《ネヴァーウィンターのドライアド》
評価:6点
《桜族の長老》のようにチャンプブロックしながら土地をサーチする使い方が主となる。ランプ戦略を取る青緑ならば採用しやすいが、それ以外では盤面の弱さと後引きの弱さが気になりそう。4マナ域に強いクリーチャーがいると良い。
《アウルベア》
評価:7.5点
カルドハイムの《サルーフの群友》ほどではないものの、1枚アドバンテージを確保しながら標準スタッツを持つ強力なクリーチャー。トランプルもついているためアグロに入れる選択肢も十分考えられるが、枚数はよく考えたい。
《垂直落下》
評価:4点
今回は《ドラゴン》が各色に配られているため活躍の機会は普段より多いが、メインからこのカードを積んでいるようでは勝てない。素直に《武器を選択せよ》を入れよう。
評価:5.5点
コストが重くテンポ損が激しい。自分から殴るデッキには入れられないので、遅めの緑白などに飛行対策として入れることになる。このカードに限った話ではないが、この環境には汎用的なアーティファクト破壊があるので重めのアーティファクトは採用数を絞りたい。
《鱗の薬草医》
評価:5点
手札補充の手段が限られているリミテッドにおいて追加セット権は持て余すことが多い。スタッツも低く、緑青に入れるにしても他の2コストを入れた方がいいだろう。
《狩りの戦利品》
評価:7.5点
緑の汎用除去として十分な性能。インスタントかつ一方的格闘なのが嬉しい。宝物シナジーは黒緑なら達成する機会があるかもしれない。
《森の導き手》
評価:6.5点
警戒のおかげでアグロとの殴り合いに強いのが魅力。ミッドレンジより遅いデッキ相手だと殴れずに腐るシチュエーションが増えるので何枚でも積めるわけではない。
《アンダーダークのバジリスク》
評価:7点
ミッドレンジより遅いデッキの2コスト枠としては最良。装備品のついたクリーチャーでも関係なく倒せるので牽制力が高い。一方的格闘の《狩りの戦利品》とは確定除去コンボ。
《君は呪いの彫像を見つけた》
評価:4点
これをメイン採用する余裕はない。BO3のサイドボードに。
アンコモン評価
《武器を選択せよ》
評価:7点
《ドラゴン》たちを撃ち落せる除去でありながらコンバットトリックとしても使えるのは高評価。ファッティの攻撃を「一旦受ける」のを許さない奇襲性がウリ。優勢な試合で相手が緑の場合はこのカードの負け筋を頭に入れて立ち回りたい。
《ドルイド・クラス》
評価:6点
レベル2以降の能力はリミテッドにおいて非常に使いづらいので、実質的に緑白専用カード。《天界のユニコーン》や《月の踊り手、トレラッサーラ》がたくさん取れていれば最強エンチャントになりうる。
《グリーン・ドラゴン》
評価:7点
効果は実質的に自軍クリーチャー全てを接死にするようなもので、攻め込んでいる場面では強力。アグロで運用するには重すぎるため、ミッドレンジデッキのフィニッシャーとして採用したい。特に自軍クリーチャーが死亡することにメリットのある黒緑でオススメ。
《ハンターズ・マーク》
評価:7.5点
重めではあるが汎用性の高い除去として運用可能。《ジンの風予見者》を1マナで処理できるのは対青で嬉しい。
《豪胆な辺境育ち》
評価:7点
《魂を食らう墓》を探索し続けることでクロックを底上げできる2マナクリーチャー。パワー2なのが集団戦術の足を引っ張りがちなので、やはり装備品の援護が欲しい。デッキに2枚以上採用するのはオススメしない。
《毒々しいトロール》
評価:5.5点
マナフラッド受けとしての運用となるが、コストが重くて活躍できる場面が限られる。特にアグロ相手だとただの相討ち要員にしかならないのが痛い。
《隠れ潜むローバー》
評価:7点
アンタップ制限はあるもののタップインではないためブロッカーとしての性能が非常に高い。緑白はもちろん、序盤に不安を抱える緑青でも1枚挿しておくと安心。自分から殴りにいきたい赤緑や黒緑では採用は控えた方が無難か。
《裕福な亭主》
評価:7.5点
緑白の核を成す1枚。ライフゲイン能力だけでも十分強いが、宝物まで付いてくるおまけ付きで汎用性が高い。緑白以外だとスタッツの低さが気になる。
《パープル・ウォーム》
評価:7.5点
条件はあるもののあまりにデカすぎるため対処が困難。緑入りミッドレンジ(特に黒緑)相手のコンバットは常にこいつを意識して行いたい。地味についている護法のおかげで《幽閉》などを撃たれてもテンポ損しないのも強い。
《放浪する吟遊詩人》
評価:7点
押されている局面ではタフネスの低さが災いしそうだが、膠着盤面で毎ターンアドバンテージを稼いでくれるのは嬉しい。ミッドレンジの4マナ帯が空いていれば是非採用したい。
《自然の化身》
評価:5点
「あなたがコントロールしている」の一文がなければ使えた。
《君は林に差し掛かった》
評価:6点
悪くはないがやっていることが悠長。一応《鱗の薬草医》などとのシナジーはあるが、そんなことをやっている間に自分のライフが半分になっていても文句を言えない。
《君たちは酒場で出会った》
評価:7.5点
全体強化能力がアグロ〜ミッドレンジと相性が良く、試合を決定づける一撃になれる。切り札としてデッキに1枚入れておくと良いだろう。上の能力もリソース合戦になった際に心強い。
注目カード
コモン:《アウルベア》《狩りの戦利品》《ノールの狩人》
アンコモン:《ハンターズ・マーク》《裕福な亭主》《パープル・ウォーム》《君たちは酒場で出会った》
《アウルベア》以外のコモンはパッとしない代わりに、アンコモンにアーキタイプの中核を成す強力なカードが多い印象。想定するゲームレンジによって採用できるカードが変わるので意識的なピックをするべき。
【MTG ドラフト】フォーゴトン・レルム探訪リミテッドプレビュー 赤編
本記事のカードの記載順は以下の公式ギャラリーに従っている。注目カードのみを知りたい方は記事下部を参照。
『D&D:フォーゴトン・レルム探訪』 | マジック:ザ・ギャザリング
評価基準
基本的にはMTGwikiのドラフト点数表に関する記事にしたがって点数を付ける。フォーマット想定はMTGアリーナのプレミアドラフト、またはクイックドラフト(BO1)。
大雑把に言えば10点満点で8点以上が初手~3手目クラス、6点以上が1周目で消えるくらいのカード、3点以下は基本的にアンプレイアブルだと思ってほしい。
コモン評価
《武器庫の古参》
評価:6.5点
序盤で相討ちを取られにくいアタッカーとしてそれなりの性能。赤白は《ホブゴブリンの隊長》と《ドワーフホールドの勇者》という優秀な2マナクリーチャーがいるので、足りなかった分をこのカードで埋める感じ。
《ブーツ・オヴ・スピード》
評価:7.5点
カードパワーはそれなりだが環境が追い風。赤白でも赤緑でもキーカードになり得る能力を持ち、特に赤緑が3ターン目に集団戦術を発動できれば勝ったも同然。《ホブゴブリンの隊長》《ノールの狩人》をはじめとした優秀な2マナクリーチャーで襲い掛かれ!
《ブラス・ドラゴンのドワーフ》
評価:6.5点
青赤ならば3点くらいは期待できるのでそれなりの性能、それ以外の色では採用圏外。
《ドラゴンの火》
評価:8点
ごちゃごちゃと書いてあるが、基本的には2マナ3点インスタントの強力な除去。特に赤入りのアグロミラーで後攻の不利を覆すためにはこのカードが必須。デッキに3枚までは入れて良く、遅めの巡目で流れてくるようであれば赤が空いている証拠。
《決闘のレイピア》
評価:7点
コンバットトリックのように使える装備品で、特に《ドワーフホールドの勇者》につければ+2/+2の修正で奇襲が可能。集団戦術を満たすためにも使いやすく、《ブーツ・オヴ・スピード》と合わせてデッキに2枚くらい欲しい。装備コストは重いが、《レンジャーの鷹》などに付けて最後の一押しに使うには十分。
《大地教団の聖霊》
評価:6.5点
6マナ出るターンでパーマネントのサクリファイスを強制しても土地をサクられる可能性が高く響きは小さい。魅力的なのはそのスタッツで、装備品がついた低コストクリーチャーを叩き潰せるだけの大きさがある。《フェイン・デス》などで守れるとなお良し。
《ファリダの火の玉》
評価:7点
5点火力はギリギリ焼けないクリーチャーもいる程度の微妙なライン。複数枚入れるには大振りすぎるので、早めの赤いデッキに1枚挿してバーン効果も活かしていきたい。
《ゴブリンの投槍兵》
評価:6点
先攻1ターン目に出せれば最強だが、それ以外だとカードパワーが不足気味。《素拳のモンク》や《レンジャーの鷹》を複数採用したウィニーデッキをドラフトで組めればロマンはある。
《溜め込むオーガ》
評価:5.5点
仕事をするターンが遅く、スタッツが低い上に効果が地味。宝物をサクってカードアドバンテージに変換できる黒と組む際には一考の余地あり。一応《盗人の道具》も付けられる。
《ホブゴブリンの隊長》
評価:7.5点
このカードが2枚並んで殴るだけでゲームが終わりかねない2マナ。赤緑や赤白では何枚入れても良い。《ブーツ・オヴ・スピード》があれば3ターン目集団戦術も容易。
《間に合わせの武器》
評価:6.5点
ブロッカーを焼き切れるような点数ではないので、どちらかというと赤青や黒赤向けのカード。ソーサリーなのが使いにくく、装備にスタックして撃つといったことができない。
《疲れ切った売剣》
評価:6点
効果を発揮できるデッキで、このカードが殴って強いシチュエーションがあまり浮かばない。黒赤を軽めにまとめられれば強いか。
《扉を蹴り開ける》
評価:6点
3ターン目集団戦術につながるカードだが、基本的には《ブーツ・オヴ・スピード》を優先したい。この環境の壁は《隠し扉》(青の1/0/4)くらい。
《略取するバーバリアン》
評価:6.5点
メインから採用できるアーティファクト対策。装備品の多い環境なので割る対象はそこそこある。このクリーチャーを採用するならば5マナクリーチャーか《疲れ切った売剣》に繋げる動きは意識してデッキを作りたい。
《忠誠の代価》
評価:7点
《墓所のグール》《命取りの論争》《スカルポートの商人》といった使いやすいサクリ台が多いので、普段の環境よりパクリファイスコンボを達成しやすい。特に《墓所のグール》から3ターン目にこのカードを使ってテンポを取る動きはドラフトらしく強い。
《群がるゴブリン》
評価:6点
5マナ域として及第点で、それ以上の働きはしない。チャンプブロッカーを展開できるのでダメージレースを有利に運べることはあるだろう。黒赤や青赤で5マナが空いていれば。
《予想外の授かり物》
評価:5点
4マナもかけてルーティングしていたらゲームに負けかねない。構えるのであれば《ドラゴンの火》のようなインスタント除去と組み合わせたい。
《武勇の歌い手》
評価:7点
赤緑や赤白の3マナクリーチャーとして申し分ない性能。ストリクスヘイヴン最強コモンクリーチャーだった《戦闘学の教授》ほどではないものの、活躍間違いなしの性能。
《君はノールの野営地に出くわした》
評価:7点
エルドレイン環境の赤単の《家の吹き飛ばし》が意外と強かったことを考えると、モード選択までできるこのカードは確実に強い。赤緑や赤白に1~2枚入れたい。
アンコモン評価
評価:7点
レベルアップコストが軽い代わりに能力も控えめな《クラス》。レベル3能力を活かすためには高コストに飛行があるとよく、《レッドドラゴン》と合わせて8点飛ばしたいところ。このカードだけで青赤に飛びつけるほどではないので、青と赤の強力な除去が拾えている状態で参入するのが良さそう。
《雄叫ぶゴブリン》
評価:7点
競合ひしめく赤緑の2マナ帯に食い込める実力のあるクリーチャー。自身の能力でパワー3になれるので、早めのターンの集団戦術にも寄与できる。《ホブゴブリンの隊長》と共に相手をボコボコにしよう。
《バーニング・ハンズ》
評価:7.5点
使いやすく強い除去。赤入りアグロが苦戦しがちな緑入りミッドレンジのファッティを焼けるのが高評価で、《群喰らいのヒル・ジャイアント》まで手が届く。
《混沌の媒介者》
評価:7.5点
今環境の「見たら焼け」枠。4/3が殴れない盤面は少ないので、除去さえされなければアドバンテージを稼いでくれる。ダブルシンボルが若干出づらいので、土地17枚の場合は山9枚にしたい。殴る前に土地を置いてしまうプレイングミスには注意(一敗)。
《クリティカル・ヒット》
評価:6点
奇襲性が魅力のコンバットトリック。装備品をつけまくった《ブルーノー・バトルハンマー》で20点出した方はご連絡ください。
《ゴブリンのモーニングスター》
評価:7点
チャンプすら許さない強力な装備品。《大地教団の聖霊》のようなファッティにつけるか、他の装備品と同時につけると効果的に使える。出てくる1/1トークンも《ホブゴブリンの隊長》の牽制にはなる。
《巨体のバグベア》
評価:7点
《ホブゴブリンの隊長》と合わせて容易に3ターン目集団戦術を達成できるのが最大の魅力。赤ダブルシンボルが足を引っ張る確率がそれなりにあるので、枚数は1~2枚程度に抑えたい。
《マジック・ミサイル》
評価:7.5点
ダブルシンボルでソーサリーなので見た目ほど器用には使えないが、プレイヤーにも飛ばせるのはアグロデッキにとって嬉しい。地味に打ち消されないので最後の一押しでも安心できる。
《レッド・ドラゴン》
評価:7.5点
赤のコンセプトに沿っていて非常に強いフィニッシャーだが、赤緑アグロとはゲームレンジが違うので採用するかどうかは考えたほうがいい。宝物でマナが出やすい黒赤で特に使いやすい。
《ラスト・モンスター》
評価:6.5点
特筆すべきは防御性能で、宝物とこのクリーチャーを立たせておけばアグロの攻勢を凌ぎやすい。能力がターンに1回ではないので、油断した相手に一気に高打点を叩き込むことも可能。
《虎飼い族の狩人》
評価:6点
赤緑とゲームレンジが合っていない。ミッドレンジに寄せたデッキならば強い可能性もあるが、正直想像があまりついていない。
《君は囚人を見つけた》
評価:6点
メインから採用できるアーティファクト対策その2。モードの都合上アグロデッキには採用しにくいので、《略取するバーバリアン》よりは使いにくい。
《君は二匹のゴブリンを見つけた》
評価:6.5点
下のモードはマナレシオが悪いので、上のモードを中心に使うことになる。特に横並びができる《雄叫ぶゴブリン》との相性が良い。急に2体ブロッカーが出てくるので赤を相手にしている時は注意(一敗)。
注目カード
コモン:《ドラゴンの火》《ホブゴブリンの隊長》《ブーツ・オヴ・スピード》
アンコモン:《レッド・ドラゴン》《マジック・ミサイル》《混沌の媒介者》《バーニング・ハンズ》
全体的に強力なアグロ向きカードが多い。ダブルシンボルが多めなのが気になるところだが、もしかしたら単色の道もあるのだろうか。
【MTG ドラフト】フォーゴトン・レルム探訪リミテッドプレビュー 黒編
本記事のカードの記載順は以下の公式ギャラリーに従っている。注目カードのみを知りたい方は記事下部を参照。
『D&D:フォーゴトン・レルム探訪』 | マジック:ザ・ギャザリング
評価基準
基本的にはMTGwikiのドラフト点数表に関する記事にしたがって点数を付ける。フォーマット想定はMTGアリーナのプレミアドラフト、またはクイックドラフト(BO1)。
大雑把に言えば10点満点で8点以上が初手~3手目クラス、6点以上が1周目で消えるくらいのカード、3点以下は基本的にアンプレイアブルだと思ってほしい。
コモン評価
《悪意のビホルダー》
評価:7点
どちらの能力も強くて使いやすく、スタッツも十分。リミテッドで場にエンチャントが複数出ることは珍しく、大抵は狙ったエンチャントを除去することができる。威迫付与も最後の押し込みとしては破壊力抜群。《ブーツ・オヴ・スピード》で自身も攻撃に参加できればベスト。
《かたつく骸骨》
評価:6.5点
丸い能力に丸いスタッツで使いやすい。パワーが4あるため、装備品がついたアタッカーと相討ちを取りやすいサイズなのが◎
《命取りの論争》
評価:7点
《村の儀式》に似たカードだが、宝物をサクることで枚数的なアドバンテージを得られるのがリミテッドでは嬉しい点。《忠誠の代価》とのパクリファイスコンボは試合を決定づけるアド差を生み出せて強力。
評価:5.5点
相手が手札を使い切る前のタイミングで、宝物から撃てれば強力という条件の多いカード。後引きで弱いタイプなのでリミテッドだと採用しづらい。
《ビホルダーの眼》
評価:6点
実質確定除去だが、いくらなんでも重すぎる。同じマナコストでアドバンテージを得られた《エクスタスの隆盛》と比較すると悲惨。このカードの良いところを見つけようとして破壊不能のボムレアを探したが存在しなかった。
《悲運の逆転》
評価:7点
一般的な墓地回収にダンジョン探索のおまけがついている形で、どう使っても弱くはならない。「最大」1体を回収なので、墓地にクリーチャーがいなくても探索目的で撃つことは可能。
《フェイン・デス》
評価:7.5点
またしてもどう使っても強い汎用カード。似たようなカードの中では+1/+1カウンターが乗るのと軽いことが頭一つ抜けて強い。ETBや死亡時効果持ちクリーチャーと相性が良いのはもちろん、雑に飛行に付けても良いだろう。ボムレアを使いまわせれば勝ち。
《不気味な報奨》
評価:8点
このカードと《ビホルダーの眼》を同時に刷ったウィザーズ社はビホルダーさんが嫌いなのだろうか。ソーサリーなのが惜しいが、4マナ確定除去に宝物が付いてくるのは破格。
《ハダルの伝令》
評価:6点
《湿原のスペクター》に似た、膠着盤面を勝ちにしてくれるカード。ただし本人の戦闘能力が凡庸で回復も不確定なので見劣りする。ダイスを振ることにメリットを見出したいが、青赤ではないのでそれも難しい。
《雇われた魔剣士》
評価:7点
最低限2/2としての働きを持ち、宝物さえあればアドバンテージを獲得できる使いやすい2コスト。採用しやすい宝物生成が黒に寄っているのもあってそれなりの頻度でドローできそう。
《財宝荒らし》
評価:6点
攻撃が通れば強いが、本人のスタッツが不足していて《盗人の道具》がないと殴りづらいのが気になる。2/2ならクリーチャーとの戦闘でも活躍できて強かったのだが高望みか。
《マンティコア》
評価:7点
ダメージを受けているクリーチャーを破壊する瞬速4マナシリーズ。先駆者である《隠れ潜む名射手》と比較するとスタッツが低い代わりに飛行を持っている。どちらが強いかは難しいところだが、個人的にはクロックになれるこちらの方が好み。《ラスト・モンスター》のような先制攻撃クリーチャーとは相性が良く、逆にいうと4マナ立っている赤黒の《ラスト・モンスター》をブロックするときはダブルブロック推奨。
《急な落下》
評価:7点
除去しながらアドバンテージを得られる強カード。3マナとしては修正値が低く、除去したいクリーチャーに触れないこともありそうなのが気になるところ。赤緑などの軽量アグロに対抗するためにはこういうカードは欲しい。
《墓所のグール》
評価:7点
タイミングを選ばずコストもかからないサクリ台なので見た目より器用で強い。特に《忠誠の代価》とのパクリファイスコンボが3ターン目から可能なのが強く、強烈なテンポアドバンテージを得ながらライフを得られる。《盗人の道具》を付けて、攻撃が通ってからサクリ能力を使用すると4点クロックになる。
《よろめく怪異》
評価:6.5点
実質タフネス2までと相討ちが可能であり、《命取りの論争》などでサクって《レンジャーの鷹》のようなタフネス1を除去する動きも強い。2マナ域が不安な場合の嵩増しとしては十分なスペック。
《盗人の道具》
評価:7.5点
相性の良いクリーチャーが多くデッキの軸になれる素質がある。宝物生成能力も便利で、場合によっては3ターン目に2マナクリーチャーに装備することも可能。特に青黒で輝く1枚。
《吸血鬼の落とし子》
評価:6点
悪くはないが今回の黒のアーキタイプとは噛み合いが悪い。アグロ相手で2点ゲインが嬉しい場面はあるだろう。
《ユアンティの毒牙刃》
評価:7.5点
どう見ても強いダンジョンデッキのエースアタッカー。自分より速いデッキと当たった際にも装備品付きのクリーチャーを牽制できて隙がない。《急な落下》で除去られるスタッツなのが若干の不安要素ではある。
《ゾンビ・オーガ》
評価:6点
書いてあることはまあまあ強いが、微妙にアーキタイプの噛み合いが悪いのと重さが足を引っ張っている。黒緑が強いアーキタイプだったらもっと評価が上がるかも。
《ブラック・ドラゴン》
評価:7点
能力は分かりやすく強いが、7マナ出ている段階でどれほど効果があるかは怪しいところ。他のドラゴンと比較するとコストが重い割にスタッツが高くない。宝物をいくつか出して5ターン目くらいに着地すればゲームに勝てるポテンシャルはある。
《罠を探す》
評価:6点
重いデッキがアグロ相手にこのカードを撃つとテンポ損で負けかねないため、軽いデッキが相手の除去やブロッカーを引き抜くために採用するのが無難だろう。ボムレア登場率の高いシールドならば積極的に採用できる。
《ミルクルの死の僧侶》
評価:7点
押している場面ではとことん強く、押されている場面ではバニラと化すピーキーなカード。黒緑というアーキタイプがより速い赤緑や赤白に押されてしまうと個人的には考えているため、ここから積極的に黒緑に参入はしたくない。
《デモゴルゴンの手中》
評価:6.5点
2点ライフルーズが偉く、軽めのデッキで採用しやすい。《精神腐敗》に代表される2ハンデスカードが撃ちどころが難しいが、相手のハンドが3枚程度になったタイミングで撃つとクリティカルに刺さりやすい。
評価:6点
5/4/3で回避能力を持たないこのカードが戦闘ダメージを通せる盤面はそもそも勝っている気がしてならない。せめて3/4なら《盗人の道具》の援護で殴れたのに。地味に到達なので各種《ドラゴン》達と相討ちを狙える局面はあるかも。
《ダンジョン・クロウラー》
評価:6.5点
ダンジョンを踏破できるようなシチュエーションで2/1タップインが手札に戻ってくる必要があるのだろうか。軽いので相手のアグロに対抗する手段としては良い。
《不気味な放浪者》
評価:7.5点
瞬速なのが偉く、他の黒緑のカードとは一線を画した使いやすさ。相手の装備品付きクリーチャーとも相討ちできるサイズで信頼感がある。《ホブゴブリンの隊長》が複数殴ってきたら諦めよう。
《足早のローグ》
評価:6.5点
受けに適していない能力とスタッツのせいで採用できるデッキは選ぶ。どうでも良い話だが、こいつのレアリティはコモンが適切だと思う。ダイスで20が出たらエキサイティングだからアンコモンなのか?それはないぜウィザーズ。
《パワー・ワード・キル》
評価:8点
普通に構築級の除去なので弱いわけがない。リミテッド的には各種《ドラゴン》を除去できないのがやや痛い。
《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》
評価:7点
対白では非常に強力な除去で、それ以外でもコンバットトリックになれるためメインから採用できる性能を持っている。《ホブゴブリンの隊長》のようなコンバットで触りにくいクリーチャーを対処できるのも◎
《死神のタリスマン》
評価:8点
単体としてのカードパワーが高く、黒緑をやるならばこのカードから入りたい。弱いクリーチャーを順番に突撃させていくだけで大きなライフアドバンテージを得られる。黒絡みのデッキならなんでも入るのでピックは早めに。
《スカルポートの商人》
評価:7点
サクリ台としては平凡だが、宝物をカードアドバンテージに変換できるのは大きな魅力。《ホブゴブリンの隊長》を受け止められるスタッツも遅いデッキでは重宝する。
《ウォーロック・クラス》
評価:6点
かなりデッキを選ぶ上に発動条件が厳しい。泥沼試合をチャンプアタックで解決できるのは良い点だが、その役割ならもっと汎用性の高いカードが黒にはある。
注目カード
コモン:《不気味な報奨》《フェイン・デス》《ユアンティの毒牙刃》《盗人の道具》
アンコモン《死神のタリスマン》《パワー・ワード・キル》《不気味な放浪者》
今回の黒はかなりカードパワーが高め。シナジー重視のカードが多いので、雑に攻めてくる赤緑の攻勢に耐えられるかどうかが肝要。